儚く散った初恋は十二年の時を経て芽吹く 〜犬猿の仲だった御曹司と再会したら溺愛されました〜
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(ふぅ、最近拓真くんを見ると変な気持ちになるわね)
でもそれは決してネガティブなものではない。だけど、どういった感情から来ているのか分からないから戸惑うのだ。
(自分の心なのに……よく分からないわ)
結月は出勤後、館内のクリーニングカウンターに行き、社員証を見せて制服を受け取った。勤務明けにはここに制服を返して退館するのだが、毎日綺麗な制服を着られるのはすごく嬉しい。
清潔で皺一つない制服に袖を通すと、自然と背筋が伸び、心は落ち着いてくる。仕事モードに切り替わった結月は、夜勤担当である篠原からの引き続きを受けた。
「四〇一号室に宿泊されている水本様が、女性スタッフに『あとで部屋に来て』と、部屋番号を書いたメモを渡すことが何度か確認されています。手あたり次第という感じなので、気をつけてください」
「はい」
結月が神妙な面持ちで頷くと、篠原が声をひそめて、口調を変えた。
「水本様は、私たちがお客様に強く出られないと分かっていてかなりしつこいの。困ったときは自分でなんとかしようとせずに、必ず誰かに頼ってね」
「分かりました」
「でもあまり怖がって、水本様の前で警戒心を出しちゃ駄目よ。ちゃんと皆がいるから、いつもどおりでお願いね」
篠原は結月の背中を軽くポンポンと叩き、ウインクした。励ましてくれる彼女に、結月は肩の力を少し抜いた。
そのとき、ふと視界に碓氷文具のロゴが入っているボールペンが入る。
(これ、拓真くんのところの……)
そういえば、今まで特段意識していなかったが気にして周りを見てみると、自分の身の回りには碓氷文具の商品が割とある。
(そうよね、文房具だもの。当たり前ように生活の一部に溶け込んでいるわよね)
拓真は、年齢や性別、国籍すら関係なく、誰もが使う日用品をつくっている。改めて理解すると、とてもすごいことなのだと思った。
(ふぅ、最近拓真くんを見ると変な気持ちになるわね)
でもそれは決してネガティブなものではない。だけど、どういった感情から来ているのか分からないから戸惑うのだ。
(自分の心なのに……よく分からないわ)
結月は出勤後、館内のクリーニングカウンターに行き、社員証を見せて制服を受け取った。勤務明けにはここに制服を返して退館するのだが、毎日綺麗な制服を着られるのはすごく嬉しい。
清潔で皺一つない制服に袖を通すと、自然と背筋が伸び、心は落ち着いてくる。仕事モードに切り替わった結月は、夜勤担当である篠原からの引き続きを受けた。
「四〇一号室に宿泊されている水本様が、女性スタッフに『あとで部屋に来て』と、部屋番号を書いたメモを渡すことが何度か確認されています。手あたり次第という感じなので、気をつけてください」
「はい」
結月が神妙な面持ちで頷くと、篠原が声をひそめて、口調を変えた。
「水本様は、私たちがお客様に強く出られないと分かっていてかなりしつこいの。困ったときは自分でなんとかしようとせずに、必ず誰かに頼ってね」
「分かりました」
「でもあまり怖がって、水本様の前で警戒心を出しちゃ駄目よ。ちゃんと皆がいるから、いつもどおりでお願いね」
篠原は結月の背中を軽くポンポンと叩き、ウインクした。励ましてくれる彼女に、結月は肩の力を少し抜いた。
そのとき、ふと視界に碓氷文具のロゴが入っているボールペンが入る。
(これ、拓真くんのところの……)
そういえば、今まで特段意識していなかったが気にして周りを見てみると、自分の身の回りには碓氷文具の商品が割とある。
(そうよね、文房具だもの。当たり前ように生活の一部に溶け込んでいるわよね)
拓真は、年齢や性別、国籍すら関係なく、誰もが使う日用品をつくっている。改めて理解すると、とてもすごいことなのだと思った。