僕らのノイズ ※最後の願いは、よく考えたうえで送信してください。

「夕夏さ、一緒に勉強しない?」

 何年かぶりに、朋美に誘われた。私は胸の高鳴りが朋美に伝わらないよう、でも少し口角は上がってしまったまま、頷いた。

「朋美は確か、分析するのが得意だったよね?」
「どうだか」
「だから、その能力を、まずは私がこの前受けた模試の結果分析で発揮してほしいな」
「まぁ、うちのほうが学業成績"は"上だもんね」

 少し誇らしげに言う朋美が、どこか可愛く思える。

「じゃあ、これから毎日、放課後は学校の図書館に集合ね」

 私がそう言うと、朋美は「うげぇ」と言いながらもスマホにスケジュールを追加しているようだった。

 それと……もう、私は、みんなで歌うことはできないんだろうか。

 心のどこかで、『もう一度だけ、あの事故の日にちゃんと歌うはずだった曲を、みんなで歌いたい』と思ってしまう。
 卒業式の翌日にある定期演奏会、例年通りなら引退した三年生も一緒に出ることになるけれど、私は退部した身だし……。

 そもそも、まともに復帰すらせず、私のわがままに付き合わせる、それが私に許されているとは思えない。
 けれど、朋美はどう考えているのだろう。

 今でこそ、普通には話せるようになったけれど。今は高校三年は一時的な引退をしている状態で、後輩たちとは連絡を取り合っているだろうか。
 受験が終わり次第、顧問の先生に相談に行くしかないか。
 私はぐるぐると考えながら、窓の外を眺める。遠くの彼方へ飛んでいく二羽の白鷺を、微笑みながら見送った。
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