『十五年越しの願いは、歪んだ家族に砕かれて――身ごもり秘書は幼馴染CEOの重すぎる執着愛から逃げられない』
自然にその言葉が出たことが。

少し嬉しかった。



帰り道。

佐知子さんへメッセージを送った。

『確認できたよ。八週くらいだって。順調だって』

少しして。

返信が来た。

『そうですか』

「……それだけ?」

思わず画面へ向かって言った直後。

もう一通届いた。

『おめでとうございます、綾乃お嬢様』

その文字を見て。

また胸が温かくなる。

返信しようとしたところで。

スマートフォンが震えた。

表示された名前は。

志水さんだった。

「はい」

『綾乃お嬢様、今、大丈夫でしょうか?』

いつもの。

落ち着いた声だった。

「大丈夫です。どうしました?」

『旦那様の治療が、ひとまず一区切りとなりました』

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