『十五年越しの願いは、歪んだ家族に砕かれて――身ごもり秘書は幼馴染CEOの重すぎる執着愛から逃げられない』
蘭が椅子へ崩れるように座った。

私は目の前の書類から目を離せなかった。

「当時、河崎直政には妻がいた」

充さんが志織を見る。

「河崎志織さん」

志織の顔には何の色もなかった。

「志織さんは流産後、子どもを持つことが難しくなった。だから俺の存在は隠された」

「黙りなさい!」

志織が叫んだ。

充さんは表情を変えない。

「まだ終わってません」

次に。

新しいファイルを机へ置いた。

「過去の資料だけなら、偽造だと言われるでしょうから」

ジュリアンがそれを受け取る。

「最新のDNA鑑定結果です」

私の心臓が大きく鳴った。

「関係者の同意または適法な手続きを経て採取された検体について、複数機関で確認しています」

モニターに結果が表示される。

河崎充。

河崎直政。

鷹宮早紀子――旧姓、武村。

親子関係。

成立。

続いて。

蘭。

河崎直政。

早紀子。

私は息を止めた。

「蘭も」

充さんが言った。

「俺と同じです」

蘭が顔を上げる。

「……え?」

「俺たちは実の兄妹だ」

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