『十五年越しの願いは、歪んだ家族に砕かれて――身ごもり秘書は幼馴染CEOの重すぎる執着愛から逃げられない』
「嘘……」

「嘘じゃない」

「だって……私のお父さんは……」

蘭の視線が父へ向いた。

父は目を閉じた。

充さんが言う。

「鷹宮宏輝さんと、あなたの間に生物学上の父子関係はありません」

「いや……」

蘭が首を振る。

「いやよ……」

私は何も言えなかった。

嫌われ続けた妹。

私から父を奪いたいのだと思っていた。

私の居場所を奪いたいのだと思っていた。

けれど。

その根底にあったものすら。

嘘だった。

「次」

ジュリアンが静かに言った。

表示が切り替わる。

慎二。

父。

早紀子。

親子関係――成立。

慎二がほんの少し俯いた。

そして。

最後。

私の名前が出た。

鷹宮綾乃。

鷹宮宏輝。

真悠子。

親子関係――成立。

分かっている。

疑ったことなどない。

それでも。

画面に並ぶ三つの名前を見た瞬間、目の奥が熱くなった。

父と。

母と。

私。

遼河さんの手が、私の手を包む。

「綾乃」

「……うん」

私は小さく頷いた。

充さんが、静かに息を吐いた。

「これで出生に関する嘘は終わりです」

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