『十五年越しの願いは、歪んだ家族に砕かれて――身ごもり秘書は幼馴染CEOの重すぎる執着愛から逃げられない』
十五年前。

あの日から。

ずっと。

欲しかったものがあった。

帰る場所。

守ってくれる人。

自分を必要としてくれる家族。

誰かに、

ここにいていい。

そう言ってもらえる場所。

あの頃の私は。

そんなものを願うことさえ。

いつの間にか諦めていたのかもしれない。

一度は。

全部、砕かれたと思った。

私の居場所も。

家族も。

未来も。

願いさえも。

だけど。

消えてなんかいなかった。

拾ってくれた人がいた。

繋いでくれた人がいた。

十五年かけて。

いくつもの遠回りをして。

何度も傷ついて。

それでも。

私の願いは。

形を変えながら。

ちゃんと、ここまで辿り着いた。

今。

腕の中には、新しい命がいる。

隣には、愛する人がいる。

そして。

私たちを待っている家族がいる。

私は、もう一度。

腕の中の小さな娘を見る。

――藤和梨杏。

二千八百五十グラム。

私たちの娘。

十五年越しに辿り着いた。

私の願いの、その先。

そして。

これから始まる――。

新しい未来、そのものだった。
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