『十五年越しの願いは、歪んだ家族に砕かれて――身ごもり秘書は幼馴染CEOの重すぎる執着愛から逃げられない』
静かすぎる部屋が。

逆に落ち着かない。

「……梨杏、ちゃんと寝たかな」

「寝るだろう」

「泣いてないかな」

「泣けば誰か連絡してくる」

「そうだけど」

少しの沈黙。

外には、カリフォルニアの夜景が広がっていた。

遼河さんが私を見る。

「綾乃」

「ん?」

「そろそろ、考えるか」

「何を?」

一瞬。

その意味が分からなかった。

けれど。

遼河さんの目を見て。

すぐに分かった。

「……二人目?」

「ああ」

私は少しだけ考えた。

梨杏に。

弟か妹。

もう一人。

私たちの家族が増える。

想像したら。

自然と笑みが零れた。

「いいかも」

そう答えると。

遼河さんも静かに笑った。

その夜。

カリフォルニアの灯りを窓の向こうに眺めながら。

私たちは。

まだ見えない未来について話した。

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