死病の花嫁は薬商伯爵に溺愛される~大正政略結婚、不遇令嬢の幸福論~
「おはようございます、千草さん。今日はお早いですね」
「早起きして、お兄様に買ってもらった本を読み返していたの。次はお義姉様が持っている他の本も貸してもらえたら嬉しいわ」
そう言ってキラキラと瞳を輝かせる千草さんは、以前の刺々しさが嘘だったかのように無邪気だ。
正直なところ、燃やされた本のことを思い出すと、まだ胸の奥に小さな痛みが残っている。
だけど、こうして購入した本を大切に抱えている千草さんの姿を見ていると、彼女が成長していく過程で起こったことだと思えるようになった。
「もちろんです。今度、私の部屋へ来てください。一緒に選びましょうか」
「本当に?」
「ええ。そのときはお茶を飲みながら読書しましょう」
「わぁ! 嬉しい!」
千草さんはにっこりと笑い、弾んだ足取りで居間のほうへ駆けていく。
私と彼女は年齢も近いから、こうして少しずつ仲良くしていけたらいいな……。
彼女のうしろ姿を見送りながら、私は自然と頬が緩んだ。
居間に顔を出すと、縁側で庭を眺めていたお義母様が、私に気づいて近づいてきた。
「琴乃さん、おはよう。お茶を淹れましょうか」
その言葉を聞いて、私は思わず目を丸くした。
「早起きして、お兄様に買ってもらった本を読み返していたの。次はお義姉様が持っている他の本も貸してもらえたら嬉しいわ」
そう言ってキラキラと瞳を輝かせる千草さんは、以前の刺々しさが嘘だったかのように無邪気だ。
正直なところ、燃やされた本のことを思い出すと、まだ胸の奥に小さな痛みが残っている。
だけど、こうして購入した本を大切に抱えている千草さんの姿を見ていると、彼女が成長していく過程で起こったことだと思えるようになった。
「もちろんです。今度、私の部屋へ来てください。一緒に選びましょうか」
「本当に?」
「ええ。そのときはお茶を飲みながら読書しましょう」
「わぁ! 嬉しい!」
千草さんはにっこりと笑い、弾んだ足取りで居間のほうへ駆けていく。
私と彼女は年齢も近いから、こうして少しずつ仲良くしていけたらいいな……。
彼女のうしろ姿を見送りながら、私は自然と頬が緩んだ。
居間に顔を出すと、縁側で庭を眺めていたお義母様が、私に気づいて近づいてきた。
「琴乃さん、おはよう。お茶を淹れましょうか」
その言葉を聞いて、私は思わず目を丸くした。