死病の花嫁は薬商伯爵に溺愛される~大正政略結婚、不遇令嬢の幸福論~
篤志さんの冷淡な口調には慣れているのか、お義母様は微塵も動じない。
それどころか、急に表情を切り替えて不敵な笑みを浮かべ、私に視線を移した。
何を言われるのだろう? 思わず身構えてしまう。
「琴乃さん、あなたは出席しなくていいから。部屋から一歩も出ないように」
有無を言わせない口調で、そう宣告された。
車内で和らいだ気持ちが、一瞬でこわばってしまった。
「明後日の昼食会は、天澤家の名誉に関わる大切な場なの。琴乃さんが人前に出れば、余計な詮索をされて雰囲気が悪くなるもの」
私は言葉に詰まり、その場で立ち尽くすことしかできない。
車の中で、篤志さんに「後悔していない」と言ってもらえたのに、それが幻だったかのように思えてくる。
結局、この家にとって私は――恥でしかないのだ。
「母上!」
「もし、死病を出した桐ケ谷家の話になったら、お客様も興が冷めるでしょう」
お義母様は私を天澤家の汚点として、奥深くに隠そうとしている。
そんなふうに思えてならなかった。
それどころか、急に表情を切り替えて不敵な笑みを浮かべ、私に視線を移した。
何を言われるのだろう? 思わず身構えてしまう。
「琴乃さん、あなたは出席しなくていいから。部屋から一歩も出ないように」
有無を言わせない口調で、そう宣告された。
車内で和らいだ気持ちが、一瞬でこわばってしまった。
「明後日の昼食会は、天澤家の名誉に関わる大切な場なの。琴乃さんが人前に出れば、余計な詮索をされて雰囲気が悪くなるもの」
私は言葉に詰まり、その場で立ち尽くすことしかできない。
車の中で、篤志さんに「後悔していない」と言ってもらえたのに、それが幻だったかのように思えてくる。
結局、この家にとって私は――恥でしかないのだ。
「母上!」
「もし、死病を出した桐ケ谷家の話になったら、お客様も興が冷めるでしょう」
お義母様は私を天澤家の汚点として、奥深くに隠そうとしている。
そんなふうに思えてならなかった。