王妃になりたくない大聖女は、今日も婚約者から逃亡する
へたり込んで動かない私を心配したのか、周りの神官たちが私に近寄ってきた。
「大聖女様、大丈夫ですか?」
「大聖女様、私の手をどうぞ!」
「大聖女様、お気を確かに!」
そう口々に話す神官たちは、言葉とは裏腹にどこか声が弾んでいる。
「あの……その『大聖女様』っていうの一旦やめていただくことって……できます……? フィオレリアで良いので……」
「なにを仰いますか! 我が国では三百年ぶりの大聖女様が現れたのですよ! 軽々しくお名前など呼べません!」
「か、勘弁してください……」
興奮気味に話す神官に、ゲンナリしながら言葉を返す。これ以上何かを言うのはやめよう、多分無駄だわ……。
それにしても、まさか私が聖女……いえ、それどころか大聖女だなんて……。誰か夢だと言ってほしい。
盛り上がる教会で一人呆然としている私。
そんな私の様子を見兼ねたのか、兄が苦笑いを浮かべながら駆け寄ってきた。
それから、優しい声色で私に問いかける。
「……フィオレリア、大丈夫かい? 妹が大聖女だなんて、兄としては鼻が高いけれど……フィオレリアは、なんだか嬉しくなさそうだから」
「お、お兄様……! 私、大聖女なんていやです!!」
私が涙目で叫ぶと、教会がざわめいた。神官長なんて、驚きすぎて腰を抜かしてすっ転んでしまったくらいだ。
「だ、大聖女様! なぜです!? 大聖女とは、この国で王族に並ぶ尊い御方なのですよ!?」
「そんなのどうでもいいんです!」
「ど、どどどどうでもいい!? それはなぜですか!?」
「だって……私、王妃になんてなりたくないんですものー!!!」
私が教会中に響くような大声でそう叫ぶと、教会内がシーーン……と静まり返る。
しばらくして、唯一兄だけがポツリ……と呟いた。
「え……嫌なポイント、そこなの?」
「大聖女様、大丈夫ですか?」
「大聖女様、私の手をどうぞ!」
「大聖女様、お気を確かに!」
そう口々に話す神官たちは、言葉とは裏腹にどこか声が弾んでいる。
「あの……その『大聖女様』っていうの一旦やめていただくことって……できます……? フィオレリアで良いので……」
「なにを仰いますか! 我が国では三百年ぶりの大聖女様が現れたのですよ! 軽々しくお名前など呼べません!」
「か、勘弁してください……」
興奮気味に話す神官に、ゲンナリしながら言葉を返す。これ以上何かを言うのはやめよう、多分無駄だわ……。
それにしても、まさか私が聖女……いえ、それどころか大聖女だなんて……。誰か夢だと言ってほしい。
盛り上がる教会で一人呆然としている私。
そんな私の様子を見兼ねたのか、兄が苦笑いを浮かべながら駆け寄ってきた。
それから、優しい声色で私に問いかける。
「……フィオレリア、大丈夫かい? 妹が大聖女だなんて、兄としては鼻が高いけれど……フィオレリアは、なんだか嬉しくなさそうだから」
「お、お兄様……! 私、大聖女なんていやです!!」
私が涙目で叫ぶと、教会がざわめいた。神官長なんて、驚きすぎて腰を抜かしてすっ転んでしまったくらいだ。
「だ、大聖女様! なぜです!? 大聖女とは、この国で王族に並ぶ尊い御方なのですよ!?」
「そんなのどうでもいいんです!」
「ど、どどどどうでもいい!? それはなぜですか!?」
「だって……私、王妃になんてなりたくないんですものー!!!」
私が教会中に響くような大声でそう叫ぶと、教会内がシーーン……と静まり返る。
しばらくして、唯一兄だけがポツリ……と呟いた。
「え……嫌なポイント、そこなの?」