先生と、時々涙雲
涙
次の授業は移動教室、慌てて教室を出ていく私たち。
「あのさ、さっきの話の続きなんだけど」
「うん。唯の言いたいことなんとなくわかるよ。」
「申し訳ないけど、坂田さんしか思いつかない!」
苛立っている唯を横目に、私はキョロキョロと周りを確認しながら階段を降りた。
「まだそうと決まったわけじゃないけど…」
「すばるの事が好きで盗撮しそうな人、他にいる!?」
「とりあえず主任も気づいてないし、私は大丈夫だから」
「もー!私がモヤモヤするっ!」
唯は自分のことのように苛立ちを感じてくれていた。
「…あ、筆箱忘れちゃった。取りに行ってくるね!先行っててー!」
唯に手を振りながら、駆け足で教室に戻る途中
階段を登る先生に気がついた
「せんせっ!」
「おう、藤花どうした?次移動教室だよな?」
「あ、あの……」
「写真のことか…?」
少し走ったせいで息があがりながら、私はコクリと頷いた。
「私のせいで……先生いなくなっちゃうのかと思った…」
「藤花のせいじゃないよ、俺が教師なのに…あんなことしたから」
「先生は優しいから……ごめんなさいっ…」
泣きそうな私をみると先生は心配そうな顔をしていた。
「そんな顔したら……また抱きしめてあげたくなるだろ?」
「………」
本当は、今すぐここでぎゅってしてほしい。
ダメだとわかっていながらもどんどん欲張りになっていく。
そんなことを思っていると、廊下の奥の方から足音が聞こえるような気がした。