先生と、時々涙雲
放課後になって私は職員室に足を運んだ。
「神田先生いますかー?」
覗き込む職員室には先生の姿が見当たらない。
「神田先生なら、資料室にいるよ」
ひょこっと顔を出したのは早見先生
「あ、そうなんですか、わかりました!」
私は資料室に向かう途中に、あの写真の時のことを思い出し、職員室に戻り出す。
「早見先生!…あの時は本当にありがとうございました」
「ふふっ、お役に立てて良かった」
「本当に、ありがとうございました!!」
私がお礼を言うと早見先生はにっこりと微笑んでくれた。
そういえば、資料室ってどこだっけ…
唯と少し道に迷った私たちは
なんとなくで資料室に辿り着いた。
「私外で待ってるね♪」
唯はそう言って、資料室の前で待っててくれた。そういいながらいつも、誰も来ないように見張っててくれるんだ。
「失礼しまーす」
「ん?藤花?」
先生はこっちを向きながら、大量の資料を手に取って何枚かファイルにまとめていた。
「先生、今日たくさんチョコもらった?」
「んーまぁな!……どうした?」
どうしたって絶対わかってるくせに…
そんな先生に私は意地悪をしたくなる。
「じゃあ私からのチョコはいらないかぁ」
手に持っていた紙袋を後ろに、見えないように隠した。
「チョコなんていらないよ」
「ふーん、わかりました〜」
なんだ……作戦失敗。
先生に背を向けた瞬間に、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「チョコなんていらないから……藤花が欲しい」
!?!?!?
いきなりの先生からの言葉に
わたしの顔は真っ赤に染まる。
「……先生、ずるいよ。」
「その袋は何?」
「……えっとこれは…」
私の持っている紙袋をみながらニヤッとする先生。
「俺をからかったから、仕返し」
いつもより甘い声で囁いた先生は私をくるっと正面に向ける。
「「…………」」
も、もしかして先生
……キスしようとしてるの?
勝手な妄想に胸の鼓動が鳴り止まない
「先生……?」
「これ以上そんな顔で見るな……っ」
「今、何考えてたの?」
「……チョコじゃなくてお前を食べたい」
「ひぇ!?!?」
私が思っているよりも先生は普通の男の人で……
むしろ狼……??
「先生だったら、食べてもらいたい……かな」
じれったい先生は私の首筋にそっと優しくキスをした。
「………っ」
私のくすぐったがる反応を見て、いつもの先生じゃないみたいに、いじわるな顔をしてる。
わたしの赤らんだ顔をみながらも、少し冷静になった先生は私の体をゆっくりと自分の体から離した。
「もうこれ以上は、俺は自分を止められなくなるから……」
「う、うん……」
「藤花のこと大切にしたいから。」
本当はちょっと物足りなかったけど、先生の言ってくれた一言に私はコクリと頷いた。
「はい、ハッピーバレンタイン!じゃあね、先生」
私はチョコを渡して先生に手を振り資料室を出た。
「………可愛すぎだろ」