感情が味で分かる令嬢は、偽りの愛を見抜きます~婚約者は腐った生ゴミ味、冷酷な第二王子は極上の味でした~【短編】
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「シャルロッテ嬢、今宵は本当に美しい。君はここにいる誰よりも輝いているよ」
「あ、ありがとうございます……」
今日は王宮主催のパーティーが執り行われていた。
当然、シャルロッテは婚約者であるエドゥアルトからエスコートを受けて会場入りしたのだが……。
(今夜も超ゲロマズですわーっ!!)
彼女の口の中は限界に近かった。
だが彼女は王太子の婚約者としてなんとか耐え抜き、挨拶回りをやってのけた。笑顔を崩さず、積極的に話題を振って、立派な未来の王太子妃として演じきった。
そして、悔しいことにエドゥアルトも少しも瑕疵のない王太子として振る舞っていた。
婚約者のエスコートもスマートにおこなって、シャルロッテは苦々しい思いで彼の隣にいたのだった。舌の上は苦いどころではなかったのだが。
挨拶周りも終わり、ダンスまでまだ時間があるので一度外で美しい空気を補給したいとシャルロッテが思っていると、エドゥアルトが急にソワソワしはじめたのに気付いた。
不可解に思い、彼の視線を追うと……。
「っ……!」
その先には、エドゥアルトの恋人のローゼ男爵令嬢が王太子の取り巻きと共に談笑している姿があった。
(下位貴族なのになぜ今日のパーティーに参加できているの?)
その理由を、シャルロッテはすぐに理解できた。
おそらく、王国でも屈指の高い身分の者が許可を出したのだろう。それは、己の隣に立っている人物に違いない。
(もう隠さなくなったのね……)
何よりも外聞を気にするエドゥアルトが、わざわざ場違いな恋人をここに呼び寄せるなど驚きだ。
彼は本格的に自分を排除するつもりなのだろうかとシャルロッテは首を傾げたが、その方がこちらとしても好都合だと静観することにした。
「エドゥアルト様。わたくし、少し疲れてしまいましたので、お庭で休憩してもよろしいでしょうか?」
シャルロッテが眉尻を下げて申し訳なさそうに言うと、
「あぁ、気付かずに悪かったね。貴族たちの相手は僕に任せてくれ」
エドゥアルトは爽やかな笑顔で彼女を送り出した。
表情に反比例して、味はゲロマズだった。