感情が味で分かる令嬢は、偽りの愛を見抜きます~婚約者は腐った生ゴミ味、冷酷な第二王子は極上の味でした~【短編】
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(ど、ど、どうしましょう!)
シャルロッテは速まる鼓動を抑えられなかった。
あんなにも甘美な味わいは生まれて初めてだったのだ。普段は婚約者によってゲロマズな生ゴミ以下の味を嫌というほど摂取している彼女にとって、全身を激しく震わすような衝撃的な味だった。
(美味しすぎますわ……!)
シャルロッテの顔が、どんどん熱くなる。アルトゥールの極上の味が今も鮮明に舌の上に残っていて、快楽で頭がふやけていきそうだ。
アルトゥールと顔を合わせる時、彼は常に眉間に皺を寄せていてひどく不機嫌そうな顔でシャルロッテを睨みつけていた。
それは己が彼の天敵である王妃派閥にいるからだと思い込んでいたのだが……。
(あの味……。少なくとも、アルトゥール殿下はわたくしのことを嫌っているのでは、ない……のよね?)
シャルロッテの舌に伝わる味覚は、相手の愛情や敵意の度合いを表している。
いつも美味しい味の家族や乳母よりも、第二王子のほうが遥かに美味だった。
だから、きっと彼は自分のことを嫌いではないはずだ。
そう考えると、彼女の頬は自然と緩んだ。
王太子妃になったら、毎日が地獄のような苦しみだろう。だが、義弟にも頻繁に会えるはずだ。
エドゥアルトの味に耐えられなくなったら、口直しに彼のもとへ向かえばいいと思った。