リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
「え? いや、いいよ。それだとみんなの負担が増える」

篠原は優香と夏希の提案に乗り気ではない様子だが、優香たちは引き下がらない。

「今ここで篠原さんに倒れられた方が私たちは困るんです。シフトを組むのも、これからは私たちに任せていただけませんか? できることは手分けしていかないと。それとも信用ならなくて、私たちには任せられませんか?」
「まさか、そんなことはない」
「それなら本部に、私たちからこの提案を伝えてもいいですか? 認められればやらせてください」
「まあ、本部の判断なら」

ようやく頷く篠原に、優香たちはすぐさま本部の部長に電話をかけた。

『なるほどね、いいと思う。我々も篠原くんの負担が大きいことはどうにかしたいと思っていたんだが、この時期は他のマンションもオープンラッシュでどこも人手が足りないんだ。何もできなくて申し訳ない。戸倉さんたちなら安心して任せられるから、どうか篠原くんを助けてやってほしい』
「かしこまりました。コンシェルジュ全員で話し合い、改善していきます」
『ああ、頼んだよ』

話し合いの結果、優香たちの提案は全員に賛成され、以降シフトの作成や深夜勤務の時間短縮が決定する。

合わせて、深夜勤務はカウンターで座っているのではなく、バックヤードで仮眠を取りながらでいいのではないか、との声が上がった。

「何かあれば内線電話がかかってくるから、別にカウンターにいなくてもいいんじゃない? 枕元にスマホを置いておいて、必ず気づくようにしておけば。住人の皆様にご意見をうかがって、それでよいと言われたらそうしない?」

女性の先輩に言われて優香たちは躊躇する。
さすがにそれは……と気が引けた。

だが先輩が部長に話をした結果、会社側から住民組合に連絡が行き、「どうぞそうしてください」との回答が来て驚く。

『このご時世、何でもかんでも形に囚われるのはよくないですからね。柔軟に対応していきましょう。皆さんの健康のためにもぜひ』

その言葉をありがたく受け取ることになった。

それからはシフトを優香と夏希が組むことになり、篠原の負担を減らす。

深夜勤務は4時間と短縮され、仮眠を取ってもよいと変更になったことから、「それなら私もやります」と女性コンシェルジュの数人が名乗り出てくれる。

「月に1、2回のペースで入ってもらおうか。私ももちろんできるよ」

夏希の言葉に「私も入るね」と言って、優香は新しくシフトを組み直した。

「おいおい、これだと俺は今の半分くらいの勤務じゃないか」

篠原は驚いていたが、「これくらいでちょうどいいんです。とにかく篠原さんは一旦身体を休めてください」と押し通す。

皆の負担がないかを確かめながら、新シフトでの勤務が始まった。
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