リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
ようやく会えたのは5日後のことだった。
壮志は午後から出社する日で、午前中はコミュニティ棟のライブラリーで本を読むことにした。
ロビーのカウンターを見ると優香の姿は見えず、がっかりしつつ4階に向かう。
2時間ほど読書してからそろそろ出社しようとエレベーターでロビーに下りた時、「戸倉さん!」と声が聞こえてきて顔を上げた。
(あ、いた!)
カウンターに、いつもと同じようにきちんと髪をまとめて白い制服に身を包んだ優香を見つける。
バラの花のように形作って首元に飾ったスカーフが華やかだ。
壮志は頬を緩めて近づこうとして足を止める。
優香のもとに、エレベーターから降りたカフェの店員の男の子と外国人の女性が歩み寄るところだった。
「戸倉さん、ちょっと通訳してくれない?」
そう言って男の子は女性を振り返る。
「Hi! How can I help you?」
優香が話しかけると、女性は助かったとばかりに一気に英語でまくし立てた。
どうやらサークル仲間で集まったパーティ―ルームにカフェのデリバリーを頼んだが、ベジタリアンミールやアレルギーについて尋ねたいらしい。
優香はにこやかに相づちを打つと、カフェの男の子に日本語で説明した。
「ベジタリアンの方がいらっしゃるので、どのメニューをおすすめすればいいのかと。それからアレルギーについてもアナウンスがあると嬉しいとおっしゃってます」
「ああ! なるほど。それなら、ベジタリアンの方にはこちらのサラダボールやフルーツを。それから小麦アレルギーの方はパスタ類を避けてください。こちらのポトフは野菜の他に、低アレルゲンのソーセージを使っています」
優香が男の子の言葉に合わせて通訳すると、女性は「OK!」と明るく笑って頷き、紙袋を受け取ってエレベーターに向かった。
「ありがとう、戸倉さん。助かったよ。バーッてしゃべりかけられて、さっぱり理解できなくてさ」
「早口な方でしたもんね。お役に立てたのならよかったです」
「サンキュー! 今度カフェでなんかおごるよ」
「それは結構です」
「ははっ! 言うと思った。じゃあね」
爽やかな笑顔を残して去って行く男の子の後ろ姿を、壮志は眼光鋭く見送った。
(なんだ今のいい雰囲気は! あの二人、年も近いし距離も近い)
壮志も何度かカフェで接客してもらったが、明るくてきぱきと立ち回るし、スタイルもよくかっこいい。
負けてられるかと、壮志はツカツカとカウンターに歩み寄った。
「こんにちは」
「古賀様! こんにちは」
にっこり笑いかけられて、ヒートアップしていた熱が一気に抜ける気がした。
やはり優香は、きれいで可愛くて魅力的だ。
「今日はお休みですか?」
「いや、これから出社なんだ。君は?」
「私は今日は18時上がりです」
「じゃあ夕食でも一緒にどうかな?」
「申し訳ありませんが、お断りいたします。夏祭りの準備をうちで進めなくてはいけないので」
「そうか、仕方ない」
「古賀様も夏祭りにはぜひいらしてくださいね」
上目遣いに小首をかしげられて、「もちろん」と頷く。
「お仕事お気をつけて行ってらっしゃいませ」
「ありがとう。行ってきます」
キリッと顔つきを変えて、颯爽とロビーをあとにした。
壮志は午後から出社する日で、午前中はコミュニティ棟のライブラリーで本を読むことにした。
ロビーのカウンターを見ると優香の姿は見えず、がっかりしつつ4階に向かう。
2時間ほど読書してからそろそろ出社しようとエレベーターでロビーに下りた時、「戸倉さん!」と声が聞こえてきて顔を上げた。
(あ、いた!)
カウンターに、いつもと同じようにきちんと髪をまとめて白い制服に身を包んだ優香を見つける。
バラの花のように形作って首元に飾ったスカーフが華やかだ。
壮志は頬を緩めて近づこうとして足を止める。
優香のもとに、エレベーターから降りたカフェの店員の男の子と外国人の女性が歩み寄るところだった。
「戸倉さん、ちょっと通訳してくれない?」
そう言って男の子は女性を振り返る。
「Hi! How can I help you?」
優香が話しかけると、女性は助かったとばかりに一気に英語でまくし立てた。
どうやらサークル仲間で集まったパーティ―ルームにカフェのデリバリーを頼んだが、ベジタリアンミールやアレルギーについて尋ねたいらしい。
優香はにこやかに相づちを打つと、カフェの男の子に日本語で説明した。
「ベジタリアンの方がいらっしゃるので、どのメニューをおすすめすればいいのかと。それからアレルギーについてもアナウンスがあると嬉しいとおっしゃってます」
「ああ! なるほど。それなら、ベジタリアンの方にはこちらのサラダボールやフルーツを。それから小麦アレルギーの方はパスタ類を避けてください。こちらのポトフは野菜の他に、低アレルゲンのソーセージを使っています」
優香が男の子の言葉に合わせて通訳すると、女性は「OK!」と明るく笑って頷き、紙袋を受け取ってエレベーターに向かった。
「ありがとう、戸倉さん。助かったよ。バーッてしゃべりかけられて、さっぱり理解できなくてさ」
「早口な方でしたもんね。お役に立てたのならよかったです」
「サンキュー! 今度カフェでなんかおごるよ」
「それは結構です」
「ははっ! 言うと思った。じゃあね」
爽やかな笑顔を残して去って行く男の子の後ろ姿を、壮志は眼光鋭く見送った。
(なんだ今のいい雰囲気は! あの二人、年も近いし距離も近い)
壮志も何度かカフェで接客してもらったが、明るくてきぱきと立ち回るし、スタイルもよくかっこいい。
負けてられるかと、壮志はツカツカとカウンターに歩み寄った。
「こんにちは」
「古賀様! こんにちは」
にっこり笑いかけられて、ヒートアップしていた熱が一気に抜ける気がした。
やはり優香は、きれいで可愛くて魅力的だ。
「今日はお休みですか?」
「いや、これから出社なんだ。君は?」
「私は今日は18時上がりです」
「じゃあ夕食でも一緒にどうかな?」
「申し訳ありませんが、お断りいたします。夏祭りの準備をうちで進めなくてはいけないので」
「そうか、仕方ない」
「古賀様も夏祭りにはぜひいらしてくださいね」
上目遣いに小首をかしげられて、「もちろん」と頷く。
「お仕事お気をつけて行ってらっしゃいませ」
「ありがとう。行ってきます」
キリッと顔つきを変えて、颯爽とロビーをあとにした。