リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
「古賀様、チケットあと2枚ありますよ。焼き鳥やビールとも引き換えられますので、どうぞ」
「ありがとう、使わせてもらうよ」
「はい。20時になったら屋台は終了で、各タワーのルーフトップテラスでドリンクと焼きそばとアメリカンドッグをお配りしますね。花火も少し遠目ですけど観られると思います」
「そうなんだ、楽しみだな。君はどのタワーが担当なの?」

内心ドキドキしながら、さり気なく尋ねた。

「サウスタワーです」
「おっ、やった。俺のために希望してくれたの?」
「違いますよ、たまたまです」
「そうか、ありがとう」
「ですから、たまたまですよ?」
「ああ、楽しみにしてる」

まだ何か言いたそうな優香にクスッと笑い、「またあとで」と別れた。

チケットをビールと焼き鳥に交換してもらい、少し離れたベンチに座って食べながら優香を見守る。

かがんで子どもたちに説明する優香の表情は優しく、ヨーヨーを救うときはこぶしを握って応援し、上手く取れると「やったね!」と笑顔を弾けさせた。

(可愛いな。子どもが相手だとあんなに無邪気にはしゃいだりするんだ)

知らなかった優香の一面が見られて惚れ直す。

そして改めて明日の計画を頭の中で確認した。

(明日は横浜で花火大会がある。何とかホテルのディナーの予約も取れた。あとは彼女の仕事がどうか……)

休みであってほしいが、無理ならせめて花火に間に合うよう、夕方までのシフトであれば。

(もし叶わなくても、午前中に少しでも会えたら)

いずれにしろ、あとで優香に訊いてみるつもりだった。

こんなにも女の子に対して行動的になったことはなく、なりふり構わず必死になっている自分にも驚く。

いかに自分がこれまで恋愛に対して軽い気持ちであったのかがわかり、結婚も淡々と割り切って受け入れようとしていたことに気づいた。

(本当に好きな人に対してはほんの少しでも会いたい。ひと目だけでもその姿を見たい。二人で一緒にいたい、ずっとずっと離したくない。そんな気持ちに囚われるものなんだな)

今まさに優香に対してその気持ちを抱え、初めての感情に新鮮さを覚える。

浴衣姿の優香は惚れ惚れするほどきれいで、見ているだけで好きだという感情が込み上げてきた。

(誰かを好きになるって、理屈じゃないんだな。気づけばどうしようもないほど心惹かれていた)

初めて芽生えた恋心。
恋愛はこんなにも自分の気持ちをどうしようもなく突き動かすものなのか。

他の男に嫉妬したり、優香を独占したくてたまらなくなったり、大切にしたいのに強引に奪いたくもなる。

(彼女は誰か他に心に想う人がいるのだろうか)

少し不安にもなるが、だからと言って諦めるつもりはない。
そうできないほど、既に優香への愛情は大きくなっていたから。

(このあと彼女に話をして、少しでも明日二人の時間を作ろう)

そう考えると楽しみで仕方なくなる。
壮志は、よしと己に大きく頷いた。
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