リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
「おお、すごいな」

ルーフトップテラスは各タワーの最上階にあり、四方をガラス窓にしたホールだった。

「わー、高い!」
「月がきれいに見える!」

子どもたちもはしゃいだ声を上げて、ガラス越しに外を見ている。

優香は「中央のテーブルにお飲物と軽食をご用意しております。どうぞお好きな物をお取りください」と声をかけ、壮志が置いたコンテナボックスから焼きそばとアメリカンドッグのパッケージを並べた。

氷水に浸してあったビールやジュースもタオルで水滴を拭いてから並べると、住人たちは思い思いに手に取り、窓に沿ってズラリと並んだ椅子に座って食べ始める。

花火の時間が近づくと、優香は照明を少し絞った。

「優香おねえちゃん、もうすぐ始まる?」

小さな女の子に訊かれて優香はしゃがみ込む。

「もうすぐだよ。花火楽しみだね」
「うん!」

女の子は笑顔で両親のいる椅子に駆けて行った。

優香が中央のテーブルに戻ると、壮志はその隣に立つ。

「古賀様も座ってご覧になってはいかがですか?」
「いや、君と一緒に観たいから」
「え?」

その時、何の前触れもなく夜空にパッと花火が打ち上がった。

「わあっ!」

住人の歓声が一斉に上がる。

そこからはドンという音と共にパッと開く大輪の花火に、誰もが目を奪われた。

「きれい……」
「ああ、本当に」

優香の呟きに壮志も頷く。
花火は予想していたよりも、よく見えた。

遮るものがなく、視線を真っ直ぐにした先で次々と鮮やかに打ち上がる花火は、澄んだ夜空にキラキラと輝いては消えていく。

言葉もなく酔いしれながら、ふと隣に立つ優香に目を向けると、壮志はその表情に見惚れた。

うっとりと花火を見つめ、優しい微笑みを浮かべる優香。

清らかで純粋な心の表れのような気がして、その美しさに息を呑む。

横顔を見つめていると視線に気づいたのか、優香がふと壮志を振り仰いだ。

思わず頬を緩めて笑いかけると、優香もにっこりと笑顔を返してくれる。

そしてまた二人で花火に目を向け、隣に並ぶ互いを意識しつつ美しく彩られる夜空を眺めていた。
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