リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
優香との時間
翌日。
壮志は朝から何度も優香から届いたメールを確認していた。
昨夜のうちにメールで【明日午後3時に迎えに行く】と連絡しておくと、優香から【よろしくお願いします】と書かれて住所の地図が添付されてきた。
本当は朝から一日中会いたかったけれど、優香はあくまでカーテンの確認だけのつもりでいるだろう。
それが夜まで拘束されるとなれば、拒絶されるかもしれない。
そう思い、ショールームのあとお礼に夕食でも、の流れで横浜への移動を考えていた。
(どうかそこで彼女が頷いてくれますように)
それは自分次第だと、己に喝を入れた。
簡単に昼食を済ませると、クローゼットを開けて服をあれこれと考える。
そんな自分にも驚いた。
(いつも適当に手にしたものを着ているのに)
悩んだあげく、白の半袖カットソーに黒のリネン素材のボタンレスサマージャケットを合わせた。
細身ですっきりとした七分袖で、襟がついているからホテルのディナーにも大丈夫だろう。
(こんなに何度も鏡を見たことなんてあったか?)
自分に苦笑いしつつ、時間より少し早めに部屋を出た。
優香のワンルームマンションへは車で20分ほどで到着する。
時計を見るとまだ14時45分で、さすがに早すぎるかと、近くのコンビニに寄った。
店内をゆっくり見てから缶コーヒーとペットボトルの紅茶を買い、いよいよ優香のマンションへと向かう。
外壁がクリーム色のこぢんまりとしたマンションは比較的新しく、女性の一人暮らしに向いていそうだが、逆に悪い輩に狙われないかと心配になった。
【着いたよ】とメールを送るとすぐに【今下りますね】と返信が来る。
車を降りて待っていると、エントランスの自動ドアが開いて優香がタタッと駆け寄って来た。
「こんにちは、お待たせしました」
ノースリーブの水色のトップスは肩の部分が軽い素材のフリルになっていて、オフホワイトのスカートは軽やかにふわりと広がる。
髪はサイドを編み込んでゆるく1つに束ね、優香の動きに合わせて弾むように揺れた。
「古賀様?」
言葉もなく見とれていた壮志は、優香に不思議そうに見上げられてハッとする。
「あ、ごめん。こんにちは。今日は時間を作ってくれてありがとう」
「いいえ。私もカーテンがどんなふうに仕上がったのかとても楽しみで」
「そうか、早速行こう。どうぞ乗って」
「はい、失礼します」
助手席のドアを開けると、優香の手を取って促した。
「足元気をつけて」
「ありがとうございます」
きれいな所作でスッと車に乗り込む優香は周りの空気を浄化するような気品にあふれ、壮志はおのずと大切に接したくなった。
ゆっくりドアを閉めると運転席に回り、ドリンクホルダーに置いておいた紅茶を勧める。
「ありがとうございます、いただきますね」
「どうぞ」
エンジンをかけて車を発進させると、優香はペットボトルのキャップを開いてひと口飲んでから、隣のホルダーにあった缶コーヒーを見た。
「古賀様も飲まれますか?」
「うん、そうだな」
すると優香は缶を手にして軽く振ってから、プルタブをプシュッと開けてホルダーに戻した。
(えっ、開けてくれたのか?)
壮志は思わず驚く。
婚約者だった彼女はいつも爪を長く伸ばしていたから、缶の飲み物はいつも壮志が開けていて、それが普通だと思っていた。
優香のネイルもきれいな桜色だったが、そこまで長くは伸ばしていない。
「ごめん、せっかくきれいなネイルなのに」
そう言うと優香は、「え? 何がでしょう」と首をひねった。
「女の子は缶のプルタブを開けたがらないだろう?」
優香はきょとんとしてから、「ああ」と頷く。
「それで私にはペットボトルにしてくださったんですか? ありがとうございます。そっか、普通の女性はそうなんですね。古賀様はオシャレで美しい方とおつき合いなさってたんでしょうね。私は仕事もそうですけど、普段料理をする時も気になるので、爪は長く伸ばさないんです」
「いや、君がそういう子でいてくれることが嬉しくて」
「爪を伸ばさないことが? ふふっ、何だかおかしいです」
微笑む優香の清らかさが愛おしくなり、壮志の胸は締めつけられる。
(彼女のことが心から好きだ)
その想いを強くしながらハンドルを握っていた。
壮志は朝から何度も優香から届いたメールを確認していた。
昨夜のうちにメールで【明日午後3時に迎えに行く】と連絡しておくと、優香から【よろしくお願いします】と書かれて住所の地図が添付されてきた。
本当は朝から一日中会いたかったけれど、優香はあくまでカーテンの確認だけのつもりでいるだろう。
それが夜まで拘束されるとなれば、拒絶されるかもしれない。
そう思い、ショールームのあとお礼に夕食でも、の流れで横浜への移動を考えていた。
(どうかそこで彼女が頷いてくれますように)
それは自分次第だと、己に喝を入れた。
簡単に昼食を済ませると、クローゼットを開けて服をあれこれと考える。
そんな自分にも驚いた。
(いつも適当に手にしたものを着ているのに)
悩んだあげく、白の半袖カットソーに黒のリネン素材のボタンレスサマージャケットを合わせた。
細身ですっきりとした七分袖で、襟がついているからホテルのディナーにも大丈夫だろう。
(こんなに何度も鏡を見たことなんてあったか?)
自分に苦笑いしつつ、時間より少し早めに部屋を出た。
優香のワンルームマンションへは車で20分ほどで到着する。
時計を見るとまだ14時45分で、さすがに早すぎるかと、近くのコンビニに寄った。
店内をゆっくり見てから缶コーヒーとペットボトルの紅茶を買い、いよいよ優香のマンションへと向かう。
外壁がクリーム色のこぢんまりとしたマンションは比較的新しく、女性の一人暮らしに向いていそうだが、逆に悪い輩に狙われないかと心配になった。
【着いたよ】とメールを送るとすぐに【今下りますね】と返信が来る。
車を降りて待っていると、エントランスの自動ドアが開いて優香がタタッと駆け寄って来た。
「こんにちは、お待たせしました」
ノースリーブの水色のトップスは肩の部分が軽い素材のフリルになっていて、オフホワイトのスカートは軽やかにふわりと広がる。
髪はサイドを編み込んでゆるく1つに束ね、優香の動きに合わせて弾むように揺れた。
「古賀様?」
言葉もなく見とれていた壮志は、優香に不思議そうに見上げられてハッとする。
「あ、ごめん。こんにちは。今日は時間を作ってくれてありがとう」
「いいえ。私もカーテンがどんなふうに仕上がったのかとても楽しみで」
「そうか、早速行こう。どうぞ乗って」
「はい、失礼します」
助手席のドアを開けると、優香の手を取って促した。
「足元気をつけて」
「ありがとうございます」
きれいな所作でスッと車に乗り込む優香は周りの空気を浄化するような気品にあふれ、壮志はおのずと大切に接したくなった。
ゆっくりドアを閉めると運転席に回り、ドリンクホルダーに置いておいた紅茶を勧める。
「ありがとうございます、いただきますね」
「どうぞ」
エンジンをかけて車を発進させると、優香はペットボトルのキャップを開いてひと口飲んでから、隣のホルダーにあった缶コーヒーを見た。
「古賀様も飲まれますか?」
「うん、そうだな」
すると優香は缶を手にして軽く振ってから、プルタブをプシュッと開けてホルダーに戻した。
(えっ、開けてくれたのか?)
壮志は思わず驚く。
婚約者だった彼女はいつも爪を長く伸ばしていたから、缶の飲み物はいつも壮志が開けていて、それが普通だと思っていた。
優香のネイルもきれいな桜色だったが、そこまで長くは伸ばしていない。
「ごめん、せっかくきれいなネイルなのに」
そう言うと優香は、「え? 何がでしょう」と首をひねった。
「女の子は缶のプルタブを開けたがらないだろう?」
優香はきょとんとしてから、「ああ」と頷く。
「それで私にはペットボトルにしてくださったんですか? ありがとうございます。そっか、普通の女性はそうなんですね。古賀様はオシャレで美しい方とおつき合いなさってたんでしょうね。私は仕事もそうですけど、普段料理をする時も気になるので、爪は長く伸ばさないんです」
「いや、君がそういう子でいてくれることが嬉しくて」
「爪を伸ばさないことが? ふふっ、何だかおかしいです」
微笑む優香の清らかさが愛おしくなり、壮志の胸は締めつけられる。
(彼女のことが心から好きだ)
その想いを強くしながらハンドルを握っていた。