リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
「いらっしゃいませ、古賀様。お待ちしておりました」

ショールームに着くと、以前と同じ女性スタッフがにこやかに出迎えてくれる。

「カーテン、仕上がっておりますよ。早速ご覧くださいませ」
「はい、楽しみです」

優香は嬉しそうに目を輝かせ、壮志を振り返った。

「なんだかドキドキしますね」
「ん? そうだな」

もちろん壮志は、カーテンよりもはるかに優香にドキドキしている。

二人で奥のスペースに案内されると、スタッフは真っ白なテーブルの上にカーテンを広げた。

「こちらがブルーグリーンのベルベットカーテンでございます。その上にシャンパンゴールドのジャガード織りのカーテンを重ねますと、こんな感じになります」
「とっても素敵! よく合いますね。それに刺繍がすごくゴージャスです。遠目に見ても存在感がありますね。タッセルでまとめて少しだけ見せたり、全部広げて見せたり……。雰囲気もガラッと変わりそうです」
「おっしゃる通り、色々なシチュエーションに合わせてお楽しみいただけますよ。柄の出方はどうでしょう? タッセルで留めてから上半分を広げると、こんな感じで刺繍が見えます」
「模様がきれいにまとまっていて、いいですね。どこで束ねても柄が切れたりしなくて」
「まあ、奥様は本当にセンスがよろしいのね。わたくしどもの製品の良さを理解してくださって、とても嬉しいです。こちらの吊り飾りも合わせてお楽しみくださいね。ブルーグリーンを背景に、星のように輝きますよ」
「はい! 楽しみです」

明るく返事をしてから、優香はハッとしたように壮志を振り返る。

スタッフに「お包みしますので、あちらのソファでお待ちいただけますか?」と促されて歩き出すと、うつむいて壮志に小さく頭を下げた。

「すみません、古賀様のカーテンなのに……」
「ん? 何を言う、俺の方が助けられているんだ。君のおかげで日常生活が楽しくなった。いつも感謝しているよ」
「それならいいのですが」
「それに俺も、君とこうして買い物する時間が楽しくて仕方ない」
「そうなのですか?」
「もちろん。でもそんなに気にするなら、このあと夕食もご一緒してくれる?」

優香は少し首をかしげてまばたきを繰り返した。

「それは、古賀様にとってメリットがあるのですか?」
「あるよ。逆にカーテンを買ってすぐにさよならって言われたら辛いな」
「そうなのですね。わかりました」

何やら神妙に頷く優香に、壮志は心の中でガッツポーズをする。

(やった! ディナーの約束を取りつけたぞ)

にやけそうになる顔を引き締め、余裕ぶってゆったりとソファに座った。
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