リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
「あっ、海が見える!」

みなとみらいで高速道路を下りると、優香がはしゃいだ声を上げる。

「きれい。空も海も、東京より広く感じますね」
「そうだな。ホテルに車を停めたら、海の近くまで行ってみるか?」
「はい!」

今日の優香は可愛くて仕方ない。
壮志は既に幸せで胸をいっぱいにさせながら、海からほど近いホテルの駐車場に車を停めた。

ディナーの予約は18時半からで、個室を押さえてある。
19時15分から予定されている海上花火大会も、その個室からきれいに観られるそうだ。

壮志は優香の手を取って車から降ろすと、ショッピングモールの中を通りつつ海沿いの公園へと向かう。

「浴衣を着た女の子が多いですね。みんな可愛い」
「ん? そうだな。人が多いから気をつけて」

花火大会があることに優香はまだ気づいていないらしく、できることはらそのまま気づかないでいてほしかった。

前から歩いて来るカップルとぶつかりそうになり、壮志は優香の肩を抱き寄せる。

「大丈夫?」
「はい、ありがとうございます」

優香のほっそりした華奢な肩と、髪からかすかに漂うよい香りに、壮志の胸はドキッと跳ねた。

(こんなにもささやかなことで、ここまで胸がドキドキするとは。恋愛初心者か?)

ある意味そうかもしれない。
優香に抱く想いは、全て自分にとって初めてなことばかり。

ふと、あのまま婚約者と親友の浮気を知らずに結婚していたら、と想像した。

(俺はきっと、幸せの半分も知らないまま人生を過ごしていただろうな)

優香といれば、こんなにも満たされた気持ちになる。

ありふれた日常が大切で輝いたものになる。

優香が教えてくれる、こんな幸せがあるのだということを。

そう思えば、婚約を破棄した時のどん底に落ちたような気分が一気に晴れていくような気がした。
< 46 / 99 >

この作品をシェア

pagetop