リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
【今帰宅しました】

23時過ぎにマンションの部屋に着いてそうメッセージを送ると、すぐに壮志から電話がかかってきた。

『優香? お疲れ様。帰り道大丈夫だったか?』
「はい、無事に帰って来ました。壮志さんもお疲れ様です。もうお仕事終わって帰って来たの?」
『それがまだ会社なんだ。時差の関係で、これから海外とのミーティングがある』
「そうなんですね、大変。身体には気をつけてくださいね」
『ありがとう、優香はゆっくり休んで。次のオフはいつ?』

訊かれて優香は躊躇する。
答えればまた壮志はその日程で有給休暇を取るつもりだろう。

『もしもし、優香? どうかした?』
「はい、あの。壮志さんのお休みはいつなんですか? 今度は私が有給を取ります」
『俺は基本的に日曜はオフ、土曜は出社したりしなかったりって感じかな。けど、優香は土日は特に忙しいだろ? 休めないんじゃないか?』
「それが、夏休みが終わってコンシェルジュの業務も山場を越えたから、みんなそれぞれ有給を取ろうってことになって。だから壮志さんの希望に合わせます。それとね、男性スタッフも増えたから、女性の準夜勤と深夜勤務はなくなることになったの」

そうか!と壮志の声が明るくなる。

『それはよかった。やっぱり気が気じゃなくてさ、優香が深夜に働くなんてって。帰りも心配だから車で送って行きたかったし、なんならゲストルームに泊まってほしかったけど、優香の気持ちを考えたら言い出せなくて……』

きっと葛藤していたのだろう。
その気遣いに嬉しくなりつつ、やはり申し訳なさが募った。

「壮志さん」
『ん? なに』
「私たちって……」

夏希と篠原の仲良さそうな笑顔が思い浮かび、代わりに自分たちの関係を考えて口ごもる。

「ごめんなさい、何でもないの」

優香、と電話の向こうで壮志が真剣な口調になった。

『気になることがあれば何でも話してほしい。どんなことでもいいから。優香を一人で悩ませることが何より辛いんだ』
「壮志さん……」

心の中がじんわりと温かくなる。
素直に嬉しいと思えた。

「ありがとうございます。今度会った時にたくさんお話しさせてください。壮志さんとおしゃべりするのは楽しいから」
『俺もだよ。じゃあ、休みの日程考えておいて。また連絡する』
「はい、わかりました。壮志さん、残りのお仕事もがんばって」
『ありがとう。おやすみ、優香』
「おやすみなさい」

電話を切ってから、優香はしばらくじっと手にしたスマートフォンを見つめていた。
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