リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
悩む優香
それから数日後。
優香は18時で勤務を終えると、着替えてからカフェに向かった。
「いらっしゃいま……、戸倉さん!」
西田が優香の姿を見て嬉しそうに笑う。
「もう仕事終わったの?」
「はい。西田さんは?」
「俺はあとちょっとで休憩。で、そのあとはラストまで」
「そうなんですね、お疲れ様です。あの、もしご迷惑でなければ、休憩の時に少しお時間いただけませんか?」
真剣に伝えると、西田の顔からも笑みが消えた。
「わかった。あそこのソファで待っててくれる? マスターに声かけたらすぐ行くから」
「はい、ありがとうございます」
優香はカフェとバーの間のホールにあるソファに座る。
すぐに西田が、エプロンを外した格好でやって来た。
「お待たせ」
「いいえ。すみません、貴重な休憩時間に」
「全然構わない。何か俺に話?」
向かい側の席に座った西田に、優香は意を決して切り出す。
「西田さん、先日のお返事をさせてください。私、あなたとはおつき合いできません」
しばしの沈黙のあと、西田が「どうして?」と低く尋ねた。
「私には、好きな人がいるので」
すると西田はじっと優香の表情をうかがってから、口を開く。
「好きな人がいるのはわかった。けど、納得いかない」
「え?」
どういうことかと優香は怪訝な面持ちになる。
「戸倉さんがその相手に幸せにしてもらってるなら諦める。でも今の戸倉さんを見ていると、とてもそんなふうには思えない」
「そんなことは……」
なんと説明すればいいのかと考えていると、西田は優香の顔を覗き込むように尋ねた。
「ちゃんとおつき合いしてるの? 相手はどんな人? 知り合ったきっかけは?」
「それは、言えないです」
「どうして? それって人には言えないような関係ってこと? 戸倉さんがそんな扱いされるなんて、俺はその人のことが許せない。まさか二股とか不倫じゃないよな?」
「違いかます! そんな人じゃないんです」
「ならせめて、どこで出会った相手なのか教えて」
優香は唇を引き結び、グッとこぶしを握りしめてから顔を上げる。
「それを西田さんにお話しするつもりはありません。だけど私が好きになった人は、優しくてとても温かい人です」
「……それならどうしてそんな顔するんだよ。今にも泣き出しそうなほど辛そうに見える」
「そんなことありません」
「だったら、ちゃんと俺に相手の人を紹介して。君が大切にされているってわかれば、俺はきっぱり諦める。けど、今のままじゃ到底無理だ」
「西田さん、あの」
「君の幸せそうな笑顔を見るまでは諦められない。俺は中途半端な気持ちで君を好きになった訳じゃないから。じゃあね」
そう言って西田は立ち上がり、スッと優香の横を通り過ぎて去って行った。
優香は18時で勤務を終えると、着替えてからカフェに向かった。
「いらっしゃいま……、戸倉さん!」
西田が優香の姿を見て嬉しそうに笑う。
「もう仕事終わったの?」
「はい。西田さんは?」
「俺はあとちょっとで休憩。で、そのあとはラストまで」
「そうなんですね、お疲れ様です。あの、もしご迷惑でなければ、休憩の時に少しお時間いただけませんか?」
真剣に伝えると、西田の顔からも笑みが消えた。
「わかった。あそこのソファで待っててくれる? マスターに声かけたらすぐ行くから」
「はい、ありがとうございます」
優香はカフェとバーの間のホールにあるソファに座る。
すぐに西田が、エプロンを外した格好でやって来た。
「お待たせ」
「いいえ。すみません、貴重な休憩時間に」
「全然構わない。何か俺に話?」
向かい側の席に座った西田に、優香は意を決して切り出す。
「西田さん、先日のお返事をさせてください。私、あなたとはおつき合いできません」
しばしの沈黙のあと、西田が「どうして?」と低く尋ねた。
「私には、好きな人がいるので」
すると西田はじっと優香の表情をうかがってから、口を開く。
「好きな人がいるのはわかった。けど、納得いかない」
「え?」
どういうことかと優香は怪訝な面持ちになる。
「戸倉さんがその相手に幸せにしてもらってるなら諦める。でも今の戸倉さんを見ていると、とてもそんなふうには思えない」
「そんなことは……」
なんと説明すればいいのかと考えていると、西田は優香の顔を覗き込むように尋ねた。
「ちゃんとおつき合いしてるの? 相手はどんな人? 知り合ったきっかけは?」
「それは、言えないです」
「どうして? それって人には言えないような関係ってこと? 戸倉さんがそんな扱いされるなんて、俺はその人のことが許せない。まさか二股とか不倫じゃないよな?」
「違いかます! そんな人じゃないんです」
「ならせめて、どこで出会った相手なのか教えて」
優香は唇を引き結び、グッとこぶしを握りしめてから顔を上げる。
「それを西田さんにお話しするつもりはありません。だけど私が好きになった人は、優しくてとても温かい人です」
「……それならどうしてそんな顔するんだよ。今にも泣き出しそうなほど辛そうに見える」
「そんなことありません」
「だったら、ちゃんと俺に相手の人を紹介して。君が大切にされているってわかれば、俺はきっぱり諦める。けど、今のままじゃ到底無理だ」
「西田さん、あの」
「君の幸せそうな笑顔を見るまでは諦められない。俺は中途半端な気持ちで君を好きになった訳じゃないから。じゃあね」
そう言って西田は立ち上がり、スッと優香の横を通り過ぎて去って行った。