リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
「壮志さん」

夏希と別れて帰宅すると、優香は壮志に電話をかけた。

『どうした、優香。何かあったのか?』

心配そうな壮志の声に胸の奥が温かくなる。

「ううん。あのね、都合が合う時にでも、お話ししたいことがあって。できれば電話じゃなく、会って伝えたいの」
『そうか』

電話の向こうで壮志が何やら考えあぐねる気配がしたあと、ためらいがちに訊いてきた。

『優香、これから車で迎えに行ってもいいか?』
「これから?」

時計を見ると、22時を回っている。

『遅くにすまない。だけどどうしても、このまま電話を切って優香を一人にしたくなくて。帰りはちゃんと送り届けるから』

会いたいと言ったのは自分なのに、逆に気遣ってくれる壮志の優しさが嬉しかった。

「はい、お願いします。私も会いたい」
『わかった。すぐに向かうから』

言葉通り急いで来たのだろう。
20分後には【着いたよ】とメッセージが届いた。

【今下りますね】

優香がエントランスに下りると、スーツのジャケットを脱いだだけの格好で壮志が待っていた。

「壮志さん、こんばんは。ごめんなさい、お仕事で疲れてるのに」
「全然構わない。むしろ連絡をくれて嬉しい。どうぞ、乗って」
「はい」

車に乗ると、まずは壮志が尋ねる。

「どこか落ち着ける場所がいいよな。俺が仕事でよく使ってる店でもいいか? 個室を使わせてくれるんだ」
「はい、お願いします」
「わかった。15分ほどで着くよ」

そう言って壮志は優香の頭にポンと手をやる。

動き出した車内にほのかに射し込む月明かりの中、優香はじわりと目ににじむ涙をさり気なく指先で拭った。
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