リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
結婚とは
「夏希ちゃん、おはよう」

いつも通り出勤した優香は、バックオフィスでいつもと同じように夏希に声をかけた。

「おはよう、優香。って、わあ、やったね! おめでとう、優香!」

優香の左手に目をやった夏希に抱きつかれ、優香は嬉しさよりも先に驚く。

「え? 夏希ちゃん、知ってたの?」
「えへへ、実はさ。優香が熱海のお土産くれたじゃない? 古賀様と旅行に行って来たって言ってさ。そのあとコミュニティ棟でジムに行く古賀様を見かけたから、声かけたんだ。お土産ありがとうございました。ちなみに優香の左手薬指は6号ですよって」

ええ!?と優香は目を見開いた。

「ど、どうしてそんなことを?」
「まあ、ちょっとした耳より情報ってことで」

だからこんなにサイズがぴったりだったのかと、優香は改めて右手で指輪に触れる。

あの夜涙が止まってからようやく見てみると、キラキラ輝くダイヤモンドの両サイドに小さなブルーダイヤも飾られ、あまりにきれいで優香はしばしうっとりと魅入っていた。

「でもそっか。優香、決心したんだね」
「うん。ここで壮志さんと暮らしていく」
「よし! やっとその言葉が聞けた。今の優香、すっごくかっこよくてきれいだよ。もう無敵って感じ」
「そんな……、全部夏希ちゃんのおかげなの。本当にありがとう」
「どういたしまして。で、私もご報告なんだけど……」

何やらもったいぶる夏希に、優香は「ん?」と首をひねる。

「なになに、どうかしたの?」
「実は先日、私もプロポーズされました」

ええー!?と優香はさらに驚きの声を上げた。

「そうなのね、おめでとう!」
「ありがとう。でもね、篠原さんには誰も耳寄り情報を伝えてくれなかったらしく、サイズがわからないからバラの花束だけ渡されて。改めて今度一緒に婚約指輪を選びに行くんだ」
「そうだったんだ。ごめん、私が伝えればよかったね」
「いいよ。優香、私のサイズ知らないでしょ?」
「え、私と同じ6号じゃなかった?」

確か二人でショッピングに行った時、指輪をあれこれ試してお互いのサイズを言い合った覚えがある。
だが夏希にあっさり否定された。

「9号だよ! よかったー、伝えないでいてくれて。いざ指輪をはめようって時に入らなくて、あとでお直ししなきゃいけないところだったわ」
「そっかあ。バラの花束のプロポーズ、素敵だね。夏希ちゃんの好きな指輪を探しに行くのも楽しみだね」
「うん。それに優香と一緒に幸せになれるのも嬉しい」
「私も!」

手を取り合って喜んでいると、篠原が入って来た。

「お、優香。おはよう」
「おはようございます、篠原さん。それと、おめでとうございます」
「ん? 何が……」

そこまで言うと思い当たったのか、篠原はみるみるうちに顔を赤らめ、慌てて手で覆って視線をそらす。

「バカ、仕事中だぞ」
「まだ勤務始ってませんよ」
「けど……、えっ、ちょっと待て。優香こそ、それはなんだ?」
「これですか? 婚約指輪です」
「しれっと言ってんじゃないよ! おい、なんだこりゃ。どこまで仲良しなんだよ、お前たち」

優香は夏希ともう一度顔を見合わせて、笑い合った。
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