リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
その翌月。
2組の婚約を祝おうと、コンシェルジュ仲間がカフェでお祝いをしてくれることになった。

「それでは、篠原さんと夏希ちゃん。古賀様と優香ちゃんのご婚約を祝して」

かんぱーい!と皆でグラスを掲げる。

優香の指にはもちろん、夏希の左手薬指にも、デザインが可愛らしい婚約指輪が光っていた。

「結婚式はいつなんですか?」
「来年の春頃にしようかって。ね? 優香」

後輩に訊かれた夏希が優香に顔を向けると、「え? 夏希さんと優香さんが結婚するんですか?」と驚かれる。

「ってことは、もしかして篠原さんと古賀様が結婚?」
「違うわよ。たまたま私たち婚約の時期が重なったから、結婚式もなんとなく同じ時期になりそうだねって」
「そうなんですね。あー、びっくりした。でも旦那様お二人とも、とってもかっこいいですよね」

目を向けると、壮志はグラスを手に篠原と談笑していた。

「お幸せですね、夏希さんも優香さんも。優香さんは古賀様のお部屋で暮らすんですよね? 通勤時間0分じゃないですか。いいなー」

すると夏希が焦ったように目を泳がせる。

「ん? 夏希さん、挙動不審なのは気のせいですか?」
「いや、あの。私たちも、そうなるなって……」
「私たちもって、夏希さんと篠原さんですか? そうなる、とは?」
「だから、その。私たちも、ここに住むの」

ええー!と周りにいたメンバーも一斉に驚きの声を上げた。

「そうなんですか? このマンションに?」
「そう。1階の部屋が中古で売り出されてて、なんとかローン組めそうだなって」
「わあ、すごい! じゃあ泊まらせてくださいね」
「はいはい、言われると思った」

夏希が苦笑いして、優香もふふっと笑う。

これからも夏希と公私共に仲良くできるのだと思うと、嬉しくて仕方なかった。

勤務が終わったメンバーが加わるたびにまた皆で乾杯し、料理を食べながらおしゃべりを楽しむ。

すると通りかかった住人の女性に声をかけられた。

「どうしたの? コンシェルジュの皆さんが集まって。あら、篠原さんと夏希ちゃんが婚約? えっ、優香ちゃんも古賀さんと? なんておめでたい」

女性は慌てて引き返したかと思うと、ご近所の人を引き連れて戻って来た。

「まあ、素敵なカップルの誕生ね。幸せそうでこちらまで嬉しくなるわ」
「これからは同じ住人としてもどうぞよろしくね」

温かい言葉に、優香は胸が詰まる。
あんなに悩んでいたのが嘘のようだった。

「戸倉さん、おめでとう」

ふいに声をかけられて振り向くと、料理を運んで来た西田が立っていた。

「西田さん!」
「いい笑顔だな。俺が見たかった心から幸せそうな笑顔。よかったな、戸倉さん」
「はい、ありがとうございます」
「でも、もっともっと幸せにしてもらえよ? 少しでも泣いたらその時は俺が奪ってやるからな」

そう言って西田はキッチンへと戻って行った。
< 96 / 99 >

この作品をシェア

pagetop