リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
「おはようございます」

マリナ・ヴィスタのメインロビーで、優香は出勤していく住人に笑顔で挨拶する。

壮志との挙式のあと優香はここに引越して来て、変わらずコンシェルジュの仕事を続けていた。

「おはよう、優香ちゃん。行ってきます」
「行ってらっしゃいませ、お気をつけて」

優香の胸のネームプレートが【Y.Koga】に替わってから1ヶ月が経つ。

「優香、お疲れ様。ポジション替わるよ」
「夏希ちゃん、お疲れ様。引き継ぎ事項は特にないです」
「了解」

そう答える夏希の胸にも【N.Shinohara】の真新しいプレートが光っていた。

その日の業務を終えると、コミュニティ棟のスーパーで買い物をしてから部屋に戻る。

(ふふっ、本当に近くて便利)

ハンズフリーで玄関が解錠され、足を踏み入れるとセンサーでパッと明かりが点いた。

「ただいまー」

壮志は今日は19時には戻ると言っていたから、あと1時間後だ。

優香はうがい手洗いを済ませると早速夕食を作り始める。

出来上がる頃に玄関から「優香、ただいま」と壮志の声が聞こえてきた。

「壮志さん、お帰りなさい」

優香がパタパタと玄関に出迎えに行くと、スーツのネクタイを緩めながら壮志が優香を抱き寄せる。

「ただいま、優香」

チュッと頬にキスをされて、優香ははにかんだ笑みを浮かべた。

「ん? また照れてる。毎日毎日可愛いな、優香は」
「もう、からかってないで早く着替えて来てください」

優香は恥ずかしさに背を向けてキッチンに戻る。

しばらくするとラフな部屋着に着替えた壮志がダイニングにやって来た。

「おっ、今日は和食か」
「そうなの。肉じゃがと豚汁と筍の炊き込みご飯」
「うまそう。早速食べてもいいか?」
「はい。いただきましょう」

手を合わせてから、優香はふと視線を落とす。

「どうかしたか?」
「あの、このゴージャスなテーブルクロスに和食が似合わないなと思って」
「ああ、なるほど。そしたら今度の休みに新しいクロスを買いに行こう。あと夏用のカーテンも。優香、きれいなのを選んで」
「うん! 楽しみ」

二人で楽しく食事を終えると、壮志が食後のコーヒーを淹れて優香をソファに促した。
< 98 / 99 >

この作品をシェア

pagetop