銀河の雫


そっか。

いくらお節介かも知れないと思っても、やっぱり伝えなければいけないことってあるんだな。


結局は、それが相手のためになるってことも。

それを薫さんに教えてもらった気がした。



しばらくすると、再びスマホが鳴った。

「+」から始まる、知らない番号からの着信だった。

「……はい」

『……月浦さん?』

「はい……」

『日向です』

心臓が止まるのではないかと思うほど、ぎゅっと胸が締め付けられた。

「所長……」

『俺……ごめん』

少しの間、沈黙が流れる。

「いえ……私のほうこそ、何も分かっていませんでした。所長のこと」

『違う……俺が……』

今までとは、すべてがまるで違って思えた。

「私……所長のお母様にお会いしました」

『えっ、母と?』

「はい……」

そこまで言うと、涙で言葉が出なくなった。

「……」

『……泣い……てるの?』

「……」

『どうした?』

「……しょ……ちょう」

『うん?』

「帰って……帰ってくることはできませんか?」

『えっ……?』

涙があふれて声にならない。

「お母様は……言うなって……おっしゃって……止められたけど……お……」

『どうした、……母が……』

「……入院されています……口には出さないけど、あなたに会いたがってる」

しばらく沈黙が流れた。

『……いいんだよ。母と俺は……』
「良くなんかない!」

『月浦さん……?』

「所長、誤解してる。お母様はいつもあなたのことを一番に考えて……身体を壊すまで働いて……だから……」

『……うん』

「あなたのことが大好きで、大切で……出て行かれた奥様やお子様たちのこともずっと、背負って苦しんできたんです」

『……えるから』

「えっ?」

『すぐ帰るから』

「所長……」

『だから、俺が戻るまで……母をお願いします』

「はい」


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