アイドル・プロデュース!
私は昨日と同じように、事務所を訪れていた。

…やっぱり、例え社長がああ言ってたとしても…1度断って「やっぱりやります!」なんて失礼だよね…?

どうしようっ…!

急にものすごく不安になってきた…

そう出入口前でウロウロしていると、「やっぱり。」と声をかけられる

その声の持ち主は響さんだった。

「あっ…」

どうしよう。

なんて言えばっ…

「きみが来てくれたってことは…あの動画。
見てくれたのかな?」

「…!」

響さんの見透かしたような目に、素直に「はい」と答える

「ふふっ正直者は好きだよ。」

そのまま、私はモヤモヤした気持ちを持ち、社長室へと向かった

ガチャ

「誰だい…っと。
君たちか」

社長室で、私が来るのをわかっていたかのように待ち構えていた社長に思わず身構える

「どうだい?
やる気になってくれたかな」

笑顔が優しくて

申し訳なくて。

私は言葉を漏らした

「…あの」

「ん?」

「私は1度、お断りさせて頂きました。
なのに本当に…いいんでしょうか?」

「1度断っても、僕は君は必ず来てくれると思っていた。
君のそういう真面目な所は長所だが…
今は君の本音が聞きたい。
碧音。
君はプロデューサーをやりたいかい?」

その言葉は、私の曇りきっていた心の中に

広く

響き渡った。

「やりたいです!」

思わず声を張り上げる

彼らには1度断った場面を見られている

彼らにとって、信頼できないプロデューサーかもしれない

でも

「…私は、叶えられなかったあの夢を…ステージを。
彼らなら。きっと叶えてくれる存在だと。
そう信じています
そう信じ続けます」

傲慢だと言われてもいい

信用できないプロデューサーと言われても構わない

でも、ただ。

彼らの輝きを、傍で見ていたい。

その想いが、溢れてしまったから。

「その言葉を聞けてよかった。
アイドル達の夢の果ては
─終わらないよ。」

「…っはい。」
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