世界で一番大切な親友へ
「ねえ、美優。高校を卒業しても、こうして二人でたくさん旅行に行こうね」


電車を降り、通りを歩きながら、乃愛が不意にそんなことを言った


香ばしいイカ焼きの匂いや、観光客の賑やかな話し声が飛び交う中で、乃愛の声だけが、なぜか少しだけ遠くから聞こえたような気がした


「あったり前でしょ。っていうか、気が早すぎ。私たち、まだ高校2年生になったばかりだよ?」


「あはは、そうだよね。でも、先のことを考えるとワクワクしちゃうんだもん」


乃愛はそう言って、いつものように満面の笑みを浮かべた。


その笑顔があまりにも自然で、眩しかったから、美優は何も疑わなかった。


乃愛が時折、胸のあたりをそっと押さえるようにして、小さく息を吐き出していることにも、この時の美優は気づいていなかった


食べ歩きの定番である、大きなしらすコロッケを二人で半分こしながら、急な階段を上っていく


運動部の美優にとってはなんてことのない坂道だったけれど、ふと振り返ると、乃愛が少し遅れて歩いていた


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