世界で一番大切な親友へ
笑い声の記憶
「ねえ、美優。覚えてる? 小学校3年生の時の、あの遠足のこと」
病室の白いベッドの上で、乃愛が少しだけ顔色を良くして、くすくすと笑いながら話し始めた
窓の外からは、昼下がりの穏やかな太陽の光が差し込み、殺風景な部屋を少しだけ温かく染めている
「遠足? あー、もしかして、あの『泥んこ事件』のこと?」
「そう! それ!」
乃愛は嬉しそうに手を叩いた
その小さな手のひらが合わせる音が、病室に軽やかに響く。
あの日、二人の通う小学校の遠足は、近くの大きな自然公園だった
活発だった美優は、見つけてしまった大きなカエルを追いかけるのに夢中になり、足元が見えなくなって、そのまま派手に泥水が溜まった水たまりに転んでしまったのだ