世界で一番大切な親友へ
「あの時の美優、本当にすごかったんだから。顔まで泥だらけで、まるで別の生き物みたいになってて。私、びっくりして声も出なかったよ」


「ちょっと、乃愛! あれはカエルが急に方向転換したからでしょ! それに、あの後、乃愛がどうしたか覚えてる?」


「え? 私、どうしたっけ……?」


乃愛が小首を傾げる。


美優はニヤリと笑って、乃愛の細い人差し指を優しくつついた


「乃愛さ、泣きそうな顔して私のところに駆け寄ってきたと思ったら、自分の履いてた可愛いピンクの靴下を脱いで、私のドロドロの手を拭いてくれたんだよ。おかげで乃愛の靴下も真っ黒になっちゃって、二人で先生にめちゃくちゃ怒られたじゃん」


「あはは! そうだっけ! うん、思い出した。お母さんに『なんで靴下がないの?』って聞かれて、二人で言い訳を考えたよね」


ベッドの上の乃愛は、お腹を抱えるようにして笑った。


その笑顔は、学校の教室でいつも見ていた、あの無邪気で眩しい乃愛そのものだった。


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