世界で一番大切な親友へ
涙の向こうの青空へ
あの初夏のあの日から、数年の月日が流れた。
東京にある大学のキャンパスは、サークルの勧誘の声や、学生たちの賑やかな笑い声で溢れている
二十歳になった美優は、少し長くなった髪を後ろで一つに結び、教科書が詰まったトートバッグを肩にかけて、並木道を歩いていた
その表情は、かつてのどこか幼さの残る女子高生のものから、自分の足でしっかりと未来を見つめる、大人の女性のものへと変わっている
美優が進んだのは、スポーツ科学の道だった。
病室で乃愛と交わした、あの「叶わないはずだった約束」
『私が毎日マッサージしてあげる』あの時はただ、乃愛を元気づけたくて口から出た言葉だったけれど、今の美優にとっては、自分の人生をかけて叶えたい大切な夢になっていた
キャンパスの隅にある静かなベンチに腰掛け、美優はカバンから一冊のノートを取り出した
そのノートの最初のページには、あの小学校の卒業式の日に桜の木の下で撮った、二人のかけがえのない写真が大切に挟まれている