海洋生物に愛されて、夜も眠れない!?
すると、ひなたくんと目が合った。刹那、飼育員のお姉さんの指示を無視してこっちに来る。えっ?何?

ひなたくんは私の前に来ると、大声で咆哮を始めた。怖い怖い。隣にいる赤ちゃんが泣き出しちゃったよ。さらに、泣き止ませようと必死にあやしているお父さんに向かって首を振って体を大きく見せようとしている。

「う、詩ちゃん!!何が起きてるの!?」

「……求愛行動。カリフォルニアアシカのオスは大声で咆哮して周囲のメスに強さをアピールするの。そして、縄張りに近付く他のオスに対して威嚇する」

アシカにもモテちゃってるの?ひなたくんだけじゃなくて、周りからの視線も痛い。

「ごめんなさい!!」

色んな感情が込み上げて泣きそうになりながら、私は立ち上がる。そして詩ちゃんの手を引いて、パフォーマンススタジアムを後にした。

(水族館、楽しみにしてたのに……!)

もうここには来れないな。そう思いながら私は水族館を出たんだ。
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