海洋生物に愛されて、夜も眠れない!?
中身を一気に飲み干したビールジョッキを乱暴にテーブルに置く。居酒屋だから、周りにいるのは全員酔っ払い。大声が飛び交っているけど、そんなもの気にならないくらい、私は怒っていた。

「お〜……。随分荒れてますな……」

飲みに誘った友達の詩(うた)ちゃんが苦笑する。私はすでに真っ赤になった顔で怒りをぶつけた。

「だってムカつく!!あいつ、私の部屋に女連れ込んでたんだよ!?おまけに私に見つかった時、なんて言ったと思う?「もう帰って来たのかよ。もう一回やるつもりだったのに」だよ!!ありえないでしょ!!」

「それで彼を追い出して今に至るってわけね……」

私は机に突っ伏す。何であんな情けない奴を好きだったんだろ。涙がジワリと滲んだ。

元カレの零(れい)は売れないバンドマンだった。メジャーデビューをして武道館でライブをするのが夢だって言って、バイトを掛け持ちしてた。夢を追いかける零が、平々凡々な人生を歩く私には眩しく見えたんだ。
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