わすれもの
3
大人から見れば、小学三年生なんか、子供どころか赤ちゃんだ。
だから、あの子たちを「かわいこちゃんたち」、「ベビー」と呼んでいる。
給食を配る時は「ひな鳥ちゃん」だ。
「先生、ひどい!」って言うけれど、ちょうどよいだろう。
ちょっと賢い子が「何歳まで赤ちゃんなんですか?」って聞いてきたけど、「大学生までは赤ちゃんだろ」って返した。
中学生なんて、義務教育の枠組みからすれば、一つ上の先輩が大人に見えて、二つ上の先輩はずっと大人に見えてしまう。
ましてや、大学生なんて、ずっとずっと大人。
僕は、大人とのやり取りに慣れているつもりだけれど。
それでも緊張していた。
彼女は手足がすらりとしていた。
クールな感じなのに、いたずらっ子みたいに明るい。
だけど下品じゃなくて、おしゃれで落ち着いていて。
空気は柔らかいけど、近づきがたかった。
額を見せるセンターパートの髪形がそう思わせていたのだろうか。
さらさらのストレート。
今の私だったら、かわいい女の子だなと言える。
でも。
彼女に対して、今の私が会いに行っても、頭は上がらないだろう。
確実に、そんな気がする。
彼女と会って、喫茶店へ行ったんだっけ。
「じゃ、どこか入ろうか」
って言って、僕はついて行くしかできなかった。
僕より背が高くて、黒い髪がさらりと揺れる後姿は、なんとなく、だけどはっきりと今でも覚えている。
だから、あの子たちを「かわいこちゃんたち」、「ベビー」と呼んでいる。
給食を配る時は「ひな鳥ちゃん」だ。
「先生、ひどい!」って言うけれど、ちょうどよいだろう。
ちょっと賢い子が「何歳まで赤ちゃんなんですか?」って聞いてきたけど、「大学生までは赤ちゃんだろ」って返した。
中学生なんて、義務教育の枠組みからすれば、一つ上の先輩が大人に見えて、二つ上の先輩はずっと大人に見えてしまう。
ましてや、大学生なんて、ずっとずっと大人。
僕は、大人とのやり取りに慣れているつもりだけれど。
それでも緊張していた。
彼女は手足がすらりとしていた。
クールな感じなのに、いたずらっ子みたいに明るい。
だけど下品じゃなくて、おしゃれで落ち着いていて。
空気は柔らかいけど、近づきがたかった。
額を見せるセンターパートの髪形がそう思わせていたのだろうか。
さらさらのストレート。
今の私だったら、かわいい女の子だなと言える。
でも。
彼女に対して、今の私が会いに行っても、頭は上がらないだろう。
確実に、そんな気がする。
彼女と会って、喫茶店へ行ったんだっけ。
「じゃ、どこか入ろうか」
って言って、僕はついて行くしかできなかった。
僕より背が高くて、黒い髪がさらりと揺れる後姿は、なんとなく、だけどはっきりと今でも覚えている。