わすれもの
9
立川に出張の日があった。
早めに終わり、足が止まる。
最近特に、過去を思い返す日が多くなった。
アンニュイな日々が続く。
南武線西国立駅が近かったので、投げやりに乗って、府中を目指した。
府中本町駅から、府中駅へ。
そこから東を目指す。
線路沿いを歩く。
途中、公園の左を曲がって歩道橋が見える。
道路沿いの次の信号で渡る。
裏に入ったところに、彼女は住んでいたんだ。
どれだけぶりだろう。
自分の覚えていた記憶のかけらは、どこにもない。
辺りを散策してみるも、自分の記憶はどこにもなかった。
一本裏、二本裏の道を探す。
ない。
こんな緩やかな坂はあったっけ?
記憶のかけらも探せない。
駐車場。
たぶんここ。
こんなことに意味はない。
そもそも、時間がもったいない。
だけどあの日、彼女と一緒に歩いた道は、かけがえがないものだった。
まだ夏。
夕暮れ。
僕は彼女と何回会ったんだろう。
別れ際、僕は「じゃあ、またね」と言えるようになった。
でも。
その日の僕はよく、口が回ったものだ。
「なんだかもったいないな」
って。
これは、彼女と別れるのが惜しかっただけなんだ。
彼女はふーんと言う顔をした後、
「ノリで歩いちゃおうか?」
と言った。
府中から分倍河原駅まで歩くことになった。
彼女の家からは逆方向。
自分からしたら次の駅。
この時の僕は、何も考えていなくて、ただの彼女のノリの良さなのかなと考えていた。
あの時の僕を好きでいたのかな。
もう確認することはできないけど。
早めに終わり、足が止まる。
最近特に、過去を思い返す日が多くなった。
アンニュイな日々が続く。
南武線西国立駅が近かったので、投げやりに乗って、府中を目指した。
府中本町駅から、府中駅へ。
そこから東を目指す。
線路沿いを歩く。
途中、公園の左を曲がって歩道橋が見える。
道路沿いの次の信号で渡る。
裏に入ったところに、彼女は住んでいたんだ。
どれだけぶりだろう。
自分の覚えていた記憶のかけらは、どこにもない。
辺りを散策してみるも、自分の記憶はどこにもなかった。
一本裏、二本裏の道を探す。
ない。
こんな緩やかな坂はあったっけ?
記憶のかけらも探せない。
駐車場。
たぶんここ。
こんなことに意味はない。
そもそも、時間がもったいない。
だけどあの日、彼女と一緒に歩いた道は、かけがえがないものだった。
まだ夏。
夕暮れ。
僕は彼女と何回会ったんだろう。
別れ際、僕は「じゃあ、またね」と言えるようになった。
でも。
その日の僕はよく、口が回ったものだ。
「なんだかもったいないな」
って。
これは、彼女と別れるのが惜しかっただけなんだ。
彼女はふーんと言う顔をした後、
「ノリで歩いちゃおうか?」
と言った。
府中から分倍河原駅まで歩くことになった。
彼女の家からは逆方向。
自分からしたら次の駅。
この時の僕は、何も考えていなくて、ただの彼女のノリの良さなのかなと考えていた。
あの時の僕を好きでいたのかな。
もう確認することはできないけど。