まだ青い彼
――就業時間を終えて、気分よく会社を出た。
スマホを開くともうすっかり頭に入っている待ち合わせ場所を確認する。
なんてことないセルフルサービスのコーヒーチェーン。30分もせずに着く。先にトイレに行ってメイクを直して。頭の中でシミュレーションしていた時だった。
「東谷」
声をかけられて振り返った。
「……橘さん。お疲れ様です」
「お疲れ、東谷の後ろ姿が見えたから追いかけてきたんだ。ちょっとどこかで食事でもして帰らないか」
「あ、私今日は……」
「そっか。急だったな。ふうん。デートか。っと、……こういうの今はセクハラって言われるのか」
「はは、大丈夫ですよ。えーっと、今日は、まぁ、そんな感じです」
「なんだよ。微妙な言い方して。東谷も相手が出来たんだな」
「……いえ、それが……」
駅まで一緒に帰ることになって話しながら歩く。馬鹿正直に話すこともないのに、言葉に詰まってしまう。
「ああ、この前の男の子か」
橘さんが広睦くんの事を覚えていてドキリとする。
「違います。その子でも無くて……」
じゃあ、何だよというような橘さんの目に渋々口を開く。どうも私はこの人には弱い。つい正直に話してしまう。
「婚活、です。マッチングアプリで出会った人と今日初めて会うんです」
小さな声で言うと、橘さんはこちらの気まずい気持ちを察したようで
「おー、頑張れな」
差し障りなく応援をしてくれた。
「色々頑張らなきゃなんです、私も」
「悪かったって。深い意味があって聞いたわけじゃかくて、プライベートまでとやかく言う気はないさ」
「わかってますよ。じゃあ、いい報告出来るように応援しててください」
そう言って橘さんと別れた。ううう、恥ずかしい。何となく、同情というか、気を使われた気がする。あの人の前では意識せず後輩感が出てしまう。後輩には違いないんだけど、いつまでも若手のような。やだわ、甘えているわけじゃないんだけど。
ちょっと熱くなった頬を手で押さえた。
スマホを開くともうすっかり頭に入っている待ち合わせ場所を確認する。
なんてことないセルフルサービスのコーヒーチェーン。30分もせずに着く。先にトイレに行ってメイクを直して。頭の中でシミュレーションしていた時だった。
「東谷」
声をかけられて振り返った。
「……橘さん。お疲れ様です」
「お疲れ、東谷の後ろ姿が見えたから追いかけてきたんだ。ちょっとどこかで食事でもして帰らないか」
「あ、私今日は……」
「そっか。急だったな。ふうん。デートか。っと、……こういうの今はセクハラって言われるのか」
「はは、大丈夫ですよ。えーっと、今日は、まぁ、そんな感じです」
「なんだよ。微妙な言い方して。東谷も相手が出来たんだな」
「……いえ、それが……」
駅まで一緒に帰ることになって話しながら歩く。馬鹿正直に話すこともないのに、言葉に詰まってしまう。
「ああ、この前の男の子か」
橘さんが広睦くんの事を覚えていてドキリとする。
「違います。その子でも無くて……」
じゃあ、何だよというような橘さんの目に渋々口を開く。どうも私はこの人には弱い。つい正直に話してしまう。
「婚活、です。マッチングアプリで出会った人と今日初めて会うんです」
小さな声で言うと、橘さんはこちらの気まずい気持ちを察したようで
「おー、頑張れな」
差し障りなく応援をしてくれた。
「色々頑張らなきゃなんです、私も」
「悪かったって。深い意味があって聞いたわけじゃかくて、プライベートまでとやかく言う気はないさ」
「わかってますよ。じゃあ、いい報告出来るように応援しててください」
そう言って橘さんと別れた。ううう、恥ずかしい。何となく、同情というか、気を使われた気がする。あの人の前では意識せず後輩感が出てしまう。後輩には違いないんだけど、いつまでも若手のような。やだわ、甘えているわけじゃないんだけど。
ちょっと熱くなった頬を手で押さえた。