まだ青い彼
「『いいわね、パートナーを替えたらいつでも子供が出来る側の人間は』ってさ。妊娠したら、出産したら、そういう当事者意識が無かった。思い描いてた未来が独りよがりだったこと気づけなかったんだ。その未来が来ないなんて思わないだろう」
何て言っていいかわからなくて、目が泳いでしまう。
「後悔はたくさんあって、あの日、あの時……そう思わないわけじゃないけど。一番近くにいる人が見えてないというのは情けないよな」
「コミュニケーション不足、では」
「そう。だけど俺の場合はコミュニケーション取ろうとした時にはもう向こうにとって俺はコミュニケーション取る必要のない人間だったってこと。話し合いはこれから先もずっと関係が続く人とは有効だけど、縁を切る相手とうはそうじゃない。時間の無駄――。そう判断され、あとは事務的な連絡だけ。そうそう元妻だけど、再婚するらしい」
「え、早くないですか? 別れて半年ちょっとって……」
私が顔をしかめても橘さんは柔らかく笑う。何で笑ってるの、だって、橘さん……!
「俺も人の事言えないから」
「え、橘さんも浮気したんですか!? 」
「おいおい。元妻も浮気してないよ。また結婚したいと思う相手に出会えたんだろ。はは」
「そう、そんなものですかね。そんな直ぐに? 」
私は結婚したいと思える人になかなか出会えないことを身をもって感じてるし、なんだか腑に落ちない。
「俺と、付き合わないか」
え?
橘さんの言っている意味が理解出来なくて顔を凝視する。奥さんの、話をしていて……。
「え? 」
「もう、後悔はしたくない」
橘さんの目はまっすぐ私を見据えていた。
「俺とつき合ってくれないか」
橘さんはもう一度繰り返した。私には随分若い恋人がいて、でも婚活をしていて。橘さんは離婚して。こっちに帰って来ていて。
何て言っていいかわからなくて、目が泳いでしまう。
「後悔はたくさんあって、あの日、あの時……そう思わないわけじゃないけど。一番近くにいる人が見えてないというのは情けないよな」
「コミュニケーション不足、では」
「そう。だけど俺の場合はコミュニケーション取ろうとした時にはもう向こうにとって俺はコミュニケーション取る必要のない人間だったってこと。話し合いはこれから先もずっと関係が続く人とは有効だけど、縁を切る相手とうはそうじゃない。時間の無駄――。そう判断され、あとは事務的な連絡だけ。そうそう元妻だけど、再婚するらしい」
「え、早くないですか? 別れて半年ちょっとって……」
私が顔をしかめても橘さんは柔らかく笑う。何で笑ってるの、だって、橘さん……!
「俺も人の事言えないから」
「え、橘さんも浮気したんですか!? 」
「おいおい。元妻も浮気してないよ。また結婚したいと思う相手に出会えたんだろ。はは」
「そう、そんなものですかね。そんな直ぐに? 」
私は結婚したいと思える人になかなか出会えないことを身をもって感じてるし、なんだか腑に落ちない。
「俺と、付き合わないか」
え?
橘さんの言っている意味が理解出来なくて顔を凝視する。奥さんの、話をしていて……。
「え? 」
「もう、後悔はしたくない」
橘さんの目はまっすぐ私を見据えていた。
「俺とつき合ってくれないか」
橘さんはもう一度繰り返した。私には随分若い恋人がいて、でも婚活をしていて。橘さんは離婚して。こっちに帰って来ていて。