まだ青い彼
「今、電車かえようかなって思いましたよね」
ドキッとして顔を上げる。
「別に、その……」
「特に害はないと思うんだけど、僕と電車が一緒になるくらいで生活に支障出ないでしょ。あとね、僕も目的の場所に目的の時間に着くためにこの電車に乗ってんです」
敬語が妙に癪に障りはするけど、それはそうだ。ぐっと言葉に詰まる。
「それともなんですか、意識しちゃってこの後の仕事手につかないとか? 」
「そんなわけないでしょっ! 」
「じゃあいいじゃん。朝からイケメン見れて元気出るっしょ」
「っ!? 自分で言うー? 」
「あー、ね。もう朝から何人も振り返って見られてんのよ、そんな感じよ、俺の日常」
「……へぇ、あー、そうなんだ」
妙に納得してしまって、微妙な返事になった。
「じゃあね、また明日。お仕事頑張ってください」
彼はにっこり笑って私を見送った。そーっと振り返ると発車間近の電車の窓越し、器用にウィンクをして見せた。カッと顔が熱くなる。
そっか、朝からイケメン見れてラッキーくらいの認識でいたらいいんだ。まだこっちが一方的にかっこいいなって思ていたころに戻るだけ。ちょっと挨拶するくらいで。夏の終わりと同時にこの時間も終わる。
害はない。と彼は言ったけど、困ったことに害があるんだよなぁ。ふとした拍子につい、あの子の事を考えてしまう。そんな時間が増えてしまう。私にとっては完全に『害』なんだ……。
完全に私の方の問題なんだけど。30過ぎて自分の感情のコントールが上手くいかない。
婚活しなきゃな。気持ちを現実に落とし込む作業をはじめようと思う。(勝手に)振り回されている場合ではないのだ。
ドキッとして顔を上げる。
「別に、その……」
「特に害はないと思うんだけど、僕と電車が一緒になるくらいで生活に支障出ないでしょ。あとね、僕も目的の場所に目的の時間に着くためにこの電車に乗ってんです」
敬語が妙に癪に障りはするけど、それはそうだ。ぐっと言葉に詰まる。
「それともなんですか、意識しちゃってこの後の仕事手につかないとか? 」
「そんなわけないでしょっ! 」
「じゃあいいじゃん。朝からイケメン見れて元気出るっしょ」
「っ!? 自分で言うー? 」
「あー、ね。もう朝から何人も振り返って見られてんのよ、そんな感じよ、俺の日常」
「……へぇ、あー、そうなんだ」
妙に納得してしまって、微妙な返事になった。
「じゃあね、また明日。お仕事頑張ってください」
彼はにっこり笑って私を見送った。そーっと振り返ると発車間近の電車の窓越し、器用にウィンクをして見せた。カッと顔が熱くなる。
そっか、朝からイケメン見れてラッキーくらいの認識でいたらいいんだ。まだこっちが一方的にかっこいいなって思ていたころに戻るだけ。ちょっと挨拶するくらいで。夏の終わりと同時にこの時間も終わる。
害はない。と彼は言ったけど、困ったことに害があるんだよなぁ。ふとした拍子につい、あの子の事を考えてしまう。そんな時間が増えてしまう。私にとっては完全に『害』なんだ……。
完全に私の方の問題なんだけど。30過ぎて自分の感情のコントールが上手くいかない。
婚活しなきゃな。気持ちを現実に落とし込む作業をはじめようと思う。(勝手に)振り回されている場合ではないのだ。