まだ青い彼
「……10年後って子供2人くらいいるかもしれないね。家も買って、車も買って、仕事も忙しくて。旦那いらなーい、なんて言ってるかもしれないのに。今はパートナー探してるわけだから恋愛スイッチ入ってて、10年後に俺への比重なんて1%くらいかもしれないじゃんよ。結婚したらパートナーは同志って言うだろ。浮気や心変わりなんて年の差関係なくあるわけだし、男が年上ならアリって考えも嫌。男の方が平均寿命短いじゃん。死別だってあるし、人生何があるかわかんないじゃん」
「そうなんだけど、そうなんだけど。男の人と女の人は違うし……やっぱり男の21の結婚は早すぎるよ」
「俺のひいひいじいちゃん20で結婚してっけど」

「時代が! 違うでしょ」
「時代が違えど21は21だよ。何が違うの。昭和生まれだと大人なわけ」
「え……昭和? 高祖父が昭和生まれなの……? 」
「そうだけど。そこなのかよ、ひっかかるの! 」

 何だか話しているうちに何が問題なんだろうと気になって来てぶんぶんと首を横に振った。違う、問題だらけだ。

 「げ、芸能人とかで熟女好きを公言してた人達、みんな奥さん年下じゃない」

 おずおずと口にすると、広睦くんは目を丸くしてすぐに吹き出した。

「よわ。弱くね、反論としては。弱すぎだろう。ははははは」
「芸能人とかは、綺麗で若く見えるから年の差があってもいいんだろうけど」
「んはは、どんだけ若さにこだわるんですか。わかったよ、わかった。年が離れてることに負い目感じてるってこと、俺は気にしないし、今は何とでも言ってあげられるけど、春美さんには響かないだろうから。とにかく、もう一度考えてみてよ。問題はないはずだよ」
「つまんないわよ、私。絶対に学生は学生と付き合った方が話も合うだろうし。何より、やっぱり32歳が21歳と恋愛しようって言うのがちょっと引くっていうか。あなたが私に夢中になったとしても諭す立場なんだよ」

 言ってしまえば、広睦くんは「ほう」と頷いた。
 
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