まだ青い彼
「なるほど。じゃあ、諭せなかった、ってことでいいんじゃありません。俺の一過性の心の迷い、それにつき合ってくれたら。熱病みたいなもんでしょ。時が来れば目が覚める」
「そうだよ。そりゃあもう、何だったの、アレ。ってくらいスー……ッとね。でも残念ながら私にはあなたの熱に浮かされているのを見届けるほど時間が無いの。結婚したいんだってば! 」
 だんだん口調が荒くなってきてしまった。
 
「んとに。怒らずに答えればいいじゃないですかなぜカリカリしてるんです、いつも。それが、大人なんですか? 」
「その人生達観したような態度が嫌! 」
「あれ、嫌なのは態度なんですか? 年下が嫌じゃなくて? 」
「どっちも嫌よ! 」
「嫌がってるように思えませんけど、本当はそこまで嫌じゃないんでしょ、俺の事、年齢も含め」
「嫌だって言ってるでしょ。あなたが年下じゃなかったら悩んでない。誰に相談したって年の事は言われるわよ」
「ふ、年齢の事なんて、言われたくないなら上手くかわせばいいだろう。それも出来ないってことは図星じゃないのか。それとも地雷だった? 」
「……違うわよ」
 ぐ、と言葉に詰まってしまった。更に苛立ちが沸き上がってくる。
 
「んふ、ははは。わかった、わーかったってば」

 広瀬くんはお手上げ、というポーズをして見せた。やっとわかってくれたとホッとする。が、

「じゃあ、俺とつき合って」

 全く意味の分からない言葉に私の頭の中は『??????』だ。
 「あ、そ……そう。えっと……」

 色んな思いが、考えが感情が頭の中と心とでぐるぐるする。最善策って何だろう。

「相手見つかるまででいいから。そのくらいの責任はとってよ。()()()()()のは春美さんのせいなんですから」
 七瀬広睦はそう言って、切なく同情を誘うような顔で微笑んだ。


 
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