まだ青い彼
 この子と結婚するつもりはない。付き合うのも本当はダメなのかもしれない。

 けど、このグダグダした期間をダラダラ過ごすくらいなら関係を変えて短期間ですっぱりとケリをつけるのもいいのかもしれない。
 この子がそれで諦めて、私もこのとげのような引っかかりが取れるのなら。

 どう正当な答えを探しても正解ではなく、言い訳にしかならない。けど、これが今の私の出した答えだ。切り替えて婚活に精を出せる遠回りなようで近道であると思う。
 ……お願い。そう思わせて。

「わかった……」
 そう呟いた。
 
 ()()()()にしても色々と決めておかないといけないことがある。曖昧なまま始められるほど簡単なことじゃなかった。

 広睦くんが私を見て微笑む。見るというより見つめるといった方がいいかもしれない。いたたまれなくて目を逸らす。

「そんな気まずそうにしなくても」
「だって、結局付き合うことになるなんて……」
「……うん。そうだね」

 すごく、穏やかに彼は目を細めた。私も、それなりに恋愛はしてきたつもりだ。自分に向けられる相手の目が自分をどう思っているか言葉にされるよりわかる時がある……。夢中になっている相手に向ける目には熱が灯り惚けたように緩む。今の私の目は彼にはどんな風に映っているだろうか。同情、責任、彼を意識しだすことへの抑制……。同類相哀れむ……そんな目が合う。ふっと彼が笑う。

「諦め」
「はい? 」
「春美さん、諦めた目をしてる」

 そう言われドキッとしてしまう。

「でもさ、俺知ってるんです。本当は俺の事意識してるってこと。でないと春美さん諦めてつき合おうなんて思わないでしょう? 」

 さっきの比じゃないくらいドキッとして頭に血が上る。恥ずかしい。図星をさされて、恥ずかしかった。
 
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