my memory love 〜あの時の約束〜
ハチの気持ち。
俺の隣の家は幼馴染。
親同士もかなり仲が良いし
泉の両親は家にいないことも多かったから
小さい頃はよく俺の家に預けられていた。
おばさん達がいない間は毎日のように
あいつを起こすのが俺の日課。
「おい、泉!マジで遅刻すっぞー」
そういいながら泉の部屋に入る
「……ん、あと5分……」
って腹見えてるし………
こんな姿を俺以外の男に見せるとか、絶対なしだからな。
「マジで早くしろー!」
と言いながら見えてる腹を隠すように泉のシャツを下まで伸ばす。
「なんでもっと早く起こしてくれないのよ!」
そんなことにも気づかない泉は、起きて慌てて支度を始める。
そういえば、この間のプールの時も。
「まぁ、過去に1人や2人いてもおかしくはないでしょ。誰かさんと違って♪」
とか言ってたけど。
中学の時の俺はめちゃくちゃモテた。
「八谷先輩、付き合ってください!」
勇気を出して告白してくれた相手を断るのは、正直心苦しいとか思いながらも。
「ねぇ八谷、また告られたんだって?」
「お願いだから、泉には言わないでくれよ!!な、前野!」
「はいはい。てかなんでいつも隠したがるの?」
「まぁ……あいつ知ったら、『付き合えば良いじゃん!』とかいいそうだから。」
「もーそんなこと言ってんなら告っちゃえばいいのに」
「バカやろう!!……タイミングってもんがあんだよ!!」
とか言いながら、俺は1番近くで泉を見ていられる定位置から抜け出せないでいた。
でも正直、仁が来てからのあいつは
少し違うのにもすぐに気づいた。
「おいまじで泉早くしろよー」
「ごめんごめんっ!」
慌てて玄関で靴を履く泉をみて、すぐに気がつく。
「なんか、おまえさ」
「え?え、なに?嘘なんか変!?」
「いや………てかまじで遅れるし!!急ぐぞー!!」
いつもつけていない色のリップをつけていたこと。
俺のためじゃないってのは、なんとなくわかっていた。