my memory love 〜あの時の約束〜
2人きりになったわたしの部屋にいる仁が口を開いた。
「泉ちゃんの部屋、めちゃくちゃ女の子って感じだね」
「そ、そうかな?普通だと思うけど…」
仁はわたしの部屋の様子をジロジロと見始め、棚に置いてあるぬいぐるみたちに視点が止まった。
「これってさ」
そういいながら仁が指を刺したのは
カバンにつけられるくらいのサイズのクマの人形。
そ、それは……小さい頃……
……もしかして覚えてるの?
「あのさ、泉ちゃん」
〜♪♪
仁が何かを話そうとした瞬間、仁のスマホが鳴り響いた。
「はぁ」
仁は小さくため息をついた。
そのままスマホの画面をじーっとみつめている。
「出なくていいの?」
「……ごめんちょっと出るね」
そういいながら部屋を出て、電話し始めた仁。
チラッと見えたスマホの画面。
『 ♪着信 美沙』
見てはいけないものを見たような気がして
わたしは見てないふりをした。
……美沙ちゃんと電話してるんだ。
もしかして2人また付きあってるのかな。
そんなことを脳内でグルグルと考えていると、仁が部屋に戻ってきた。
「ごめん、俺今日はもう帰るね」
「……あ、うん」
そっか。帰るんだ。美沙ちゃんのところに?
……なんて、聞けるはずがない。
階段を降りて玄関で靴を履く仁を見送るわたし。
「今日は誘ってくれてありがとう、また来るから」
「こちらこそだよ!教えてくれてありがとう」
じゃあねーと手を振って、仁は行ってしまった。
はぁ……モヤモヤがとれない。
てかいま、『また来るね』って言ったよね?
え、でも仁にとっての大切な人は美沙ちゃんなわけで…
わたしなんかただの友達だよね。
そう自分に言い聞かせた。
でも……あの時のキスがなんだったのかは、いまだに謎に包まれてるけど。