my memory love 〜あの時の約束〜
わたしはさっき美沙ちゃんに呼び出されたのを思い出し、隣のクラスをひょこっとのぞいた。
「あ、泉ちゃんっ!」
「話って……?」
「ここじゃなんだから、中庭いこっか♪」
美沙ちゃんの提案で私たちは中庭に移動した。
「そろそろ仁に告白された〜?」
「えぇ!?…どうしてそれを……」
「うーんなんとなく?仁と泉ちゃん見てればわかるよ〜もう♡」
「そ、そっかぁー…」
美沙ちゃんはなんの気まずさも感じさせない、とびきりの笑顔でわたしを見つめたあと、徐々に表情が曇り始めた。
「あのね、実はわたし…中学の時に仁と付き合ってたんだけど……お別れしたこと後悔してて。それでここに転校してきたの。」
「……そうだったんだ」
ごめん美沙ちゃん知ってるよ……。
「私謝ったの、中学の時酷いことしちゃったから。だから思い切ってまた告白してみたんだけど……」
「………」
「あっさり振られちゃった〜」
この話確か仁の親友が美沙ちゃんと付き合ってた話だよね。修学旅行で仁から聞いたやつだ。
たしかに仁は話してくれた時、すごい悲しそうな顔をしてたっけ……。
「あの時わたし中学生だったから、付き合うとかもよくわかってなくて。あとから仁が本気だったってことに気がついたの。……でももう気づいた時には遅くて……仁、前より冷たくなっちゃったんだ。私のせいで……」
美沙ちゃんは目に涙を浮かべながら私に話をしてくれた。
わたしはその話を、ただ黙って聞くことしかできなかった。
「でもね、泉ちゃんと出会ってからの仁、前より明るくなったと思うの!よく笑うようになったなーって」
「……そ、そうかな」
「だから、私もうライバルはやめるね」
「……え?」
ふふっと涙を浮かべながら微笑んでいる美沙ちゃん。
「だから泉ちゃん、あとはよろしくね♪」
「よ、よろしく……?」
「あーでもっ、八谷くんに思わせぶりしたら、可哀想だぞ〜このこのっ」
「そんなことないと思うけど!?」
美沙ちゃんはわたしの肩をツンツンっと人差し指で触れた。
「じゃあね、泉ちゃん!時間取ってくれてありがとうねっ!」
「ううん、こちらこそ話してくれてありがとうだよ」
ばいばーいと手を振りながら私たちはそれぞれの教室に戻った。