チャラ男も笑えば雑巾に当たる
蜂技くんに対する感情とはちがう、変な気持ち。
かゆくて、甘酸っぱくて、苦しくて、でも、とろけそうになるほど心地よかった。
正体不明なんかじゃない。
いちごジャムでもない。
これは恋。
甘すぎて狂ってしまいそうになる、恋。
たとえば蜂技くんへの想いがあこがれから派生するキラキラした慕情なら、
犬井駆への気持ちは本能的に惹かれてしまった情熱だ。
「……みのりん?」
認めてしまえばもう止まらなかった。
その声でさえもきゅんって胸が熱くなる。
「あんたの……せい、だから……っ」
踏み込んじゃだめって頭ではわかっていてもこころが勝手に近づいていく。
「どうしたの、みのりんなんか変だよ、」
床にベタッと脚を崩してる私を心配そうに見下ろすひざ立ちの犬井駆。
顔を直視できなくて、うつむいた先に見えたシャツのすそ。
それに手をのばしてちょっとだけつまむ。
「……犬井駆……」
「なあに、寧仔みのり」
「……信じていいの……」
「うん?」