チャラ男も笑えば雑巾に当たる
「……私だけでいいって……私以外みてないってゆったの、ほんとうに信じていい?」
くい、と服をひっぱる。
犬井駆は動かない。
「いいんじゃない?ぼくはうそつかないよ」
「……じゃあ毎日……睡眠薬、処方してやってもいいけど」
「え?ぼくに至福の睡眠薬くれるの?毎日?」
「私の気が変わらないうちにYESかハイか回答は?」
「はあい、ありがたく服薬しまーす」
甘ったるい犬井駆の声がしてそれが大きく揺れた、と思ったらぎゅうっとあったかい体温に包まれる。
「こっ、これは許可してない……ッ」
「じゃあ抵抗して?押せば動くよ?」
「っ、」
もっといちごジャム味わいたいって思ったのはバレたくないから、もう少しだけ顔を隠すためにこのままで。
「ねえ、こうされるのいやじゃなかったっけ?」
「……いやじゃ、ないよ」
本音だった。
ほんとうはあのときだって、さわぐ心臓がうっとうしかったけど体温が身にしみるのは不快じゃなかった。