魔法がなくても
❥勝負だ!
ワケアリ編入生の紫翠宙くんとの同居から数週間ほどが経った。
相変わらず、テストは受けられないみたいで。
理事長とおーさんしか知らない、私と宙くんの一時的同居生活話を
『編入生どうしてんだろーな』と言っていた四に明かせば、
『はぁー!?お前正気か!?』
耳をふさぎたくなるほど、大きな声で驚かれた。
理事長からも認められてると言えば、それもまた驚いてたけど。
その声を聞きつけた──並木桜。
四と同じく入学が一緒で、少し気弱な女の子。
色白でいつも黒髪を両サイドに三つ編みにしている。眼鏡を外したらほとんどぼやけて見えるらしい。
「ど、どうしたの?今すごい声がしたけど……」
「おい聞けよ、セラのやつが──」
さっそく言うのか……と思いながらも桜ならいいと四が今打ち明けたばかりの話を桜にするとこちらも驚きをかくせずにいた。