魔法がなくても


「何かって何ですか?本当は星羅を超すほどの魔力があるとかですか?」

「さーにゃー」


シエルがすぐさま質問をするも、理事長はテーブルで寝そべるだけ。


「一緒にいるセラセラでも気づかないってことはまだ彼の中の何かが目覚めてないんじゃにゃい?これ食べてもいい?いただくよー」

「あ!?」


四が浮いたおかずに驚くと軽く猫手を動かして自分の口へと運んだ私たちのおかずを理事長は丸のみした。


「デリシャースっ」

「ならおかず食べたかわりに、ぼくも星羅と住むの許してっ理事長」

「相変わらずノアノアはセラセラが好きなのにゃ」

「うん!だーいすきっ」


ぴとりと私にくっつく乃蒼。

時と場所関係なく言ってくるのはもう慣れた。
最初は恥ずかしかったけど。


「でもダメにゃ」

「もう!」


ならおかず返して!と乃蒼は理事長をつかまえるも、理事長は姿を消した。


「食い逃げかよ、理事長なのに」

「ま、まあ一つだけだから。星羅、わたしたちも食べよ」

「うん」


シエルじゃないけど──宙くんが持つ、何かって一体何なんだろう。


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